2019.10.27
LIFE STYLE

改めて過払金とは? 借金した人が必ず確認すべきこと

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住宅ローンにカーローン、あるいはクレジットカード払い。実は生活の中で「借金」をしているケースはたくさんある。それをうまく活用すれば人生も豊かになるかも? ということで、前回・前々回と債務整理3000件の相談実績を持つ弁護士・鈴木淳也氏に「賢い借金」のコツを教えてもらった。

鈴木さん鈴木淳也/大手法律事務所で活躍したのち、2018年4月に鈴木淳也総合法律事務所を設立。借金の債務整理から企業法務など幅広く対応。気象予報士や防災士の資格も保有するマルチ弁護士。

 

いろいろ聞いていくと「すでに借金している人」にもタメになる話があるらしい。借金歴のある人は必読?な知識を教えてもらった。

過払金があるかを確認するには

鈴木先生

--薄々感じていたんですけど……、先生って債務整理マニアなんですか?

何を言ってるんですか(笑)

--いや、そうでもないと3000件も実績をつくらないじゃないですか。毎日、どのくらいの債務整理をしているんですか。

数は難しいですが、確かに業務の4分の1は債務整理ですね……。でもマニアではないですよ(笑)

--4分の1……。それだけ借金している人がいるわけですね。そういえば前回、「すでに借金をしている人にもタメになる話がある」と聞いたんですけど。

はい。まずは、過去に借金をしたことがある人。これは「過払金」のチェックをしたほうがいいですね。

--よく聞くやつですね。でも、知っているようで意外とよく分からない……。

カードローンやキャッシングは、金利の上限があることを以前話しましたよね。10万円未満なら年20%、10万円〜100万円未満は年18%、100万円以上なら年15%です。

図解

--たしかほとんどの業者は、上限いっぱいの金利を取っていると言ってたような……。

はい、“今”はそうです。でも、昔はその上限を超えた金利を設定しているケースがたくさんあった。それに当てはまる方は“払いすぎ”の可能性があるので、過去に遡って返還請求できる場合があるんです。

--ちなみに、自分が当てはまるかどうか、どうすればわかるんですか?

今までの自分の借金に関して、いつ、いくら借りて、いくら返済したのかが記載された「取引履歴」を業者に請求できます。そこに利息のパーセンテージも出ているので確認しましょう。先ほどの上限金利を超えている期間があれば詳しく調べたほうが良いですね。

--自分で確認するのが面倒な場合は?

面倒……。確かに難しい部分もあるので、不安な方は一度、弁護士の方に相談してみると良いと思います。

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借りすぎかどうかのボーダーラインは?

鈴木先生

--しかし「過払金」って一時期よく聞きましたけど、対象者がかなりいたということですか?

まさにそうですね。法的な限度を超えた金利を課せられながら、きちんと払い続けた人がたくさんいたということです。

--なんともコメントしにくい……。

ただ、考え方を変えれば、それだけ借金を誠実に利用している人が多かったとも言えます。キャッシングやカードローンというと「無計画」とか「お金にだらしない」と思う人も多いですが、そういうわけでもない。きちんと返済して、活用している人はたくさんいるのです。

--まさに“賢く”借金している人も多いと。とはいえ、半面で借りすぎも怖いです。僕は歯止めが効かなくなるタイプなので。

もちろん、総額でいくらまで借りても大丈夫か、収入や家計を見ながら自分なりの“超えてはいけない基準”を設けるべき。まさに今、借金を借りている人は考えてほしいですね。

--超えてはいけない基準……、先生はどのくらいが目安だと?

基本的には、総量規制(年収の3分の1)までだと思います。借金はセーフティネットがきちんとあって、前回話した「債務整理」は、借金を返せない人が“出口”で受けられるセーフティネット。対する総量規制は、これから借りる人が“入口”で受けるセーフティネット。そこに引っかかるなら「危険水域」だと思うべきです。

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銀行でローンを組む際の注意点

--ちなみに住宅ローンは総量規制かからないんですよね?

そうですね。前も話したように住宅が担保になりますから。そもそも、総量規制は消費者金融などを対象にした貸金業法。住宅ローンは銀行に借りるもので、銀行法には無いんです。マイカーローンも同じですね。

--なるほど。

ちなみに銀行は、教育ローンや目的を問わないフリーローンもあります。最近は低金利なので、銀行も個人相手に過剰な貸付をするケースが増えてきました。そこで自主規制としての総量規制を設けている銀行も多い。もしそのラインに引っ掛かるようなら、やはり“借りすぎ”と考えるべきでしょう。

--それが「入口のセーフティネット」ですね。キャッチーなワードを考えてくれてありがとうございます。

そういうわけでは……。いずれにせよ、きちんと目的があって、金利まで考えれば借金は有効な手段のひとつですよ。そして、柔軟性を持って、返せない場合も想定することです。

--お、自分からまとめに入ってますね? 個人的には、やはりまずは住宅ローンに興味ありです。次回からは、その専門の方に聞いてみます。

ぜひそうしてください。私も住宅ローンはよく考えます。なかなか踏み出せないですけどね。

--あれ、先生もなんだかんだ勇気が出ないんですか? 債務整理マニアなのに?

違います(笑)。悩んでいるのは、ローンどうこうより、不動産価格の成り行きです。2020年を過ぎると景気がどうなるか。それにより不動産価格は大きく変わりますよね。なるべく有利に借金したいので、タイミングを見極めているんですよね。

--抜け目がないですね。その辺り、住宅ローンの専門家に聞いてこっそりお伝えしますよ。いろいろとありがとうございました!

 

有井太郎=取材・文

# 弁護士# 賢い借金# 過払金
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