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2019.10.15

あそぶ

ピカソも愛用したナイフ「オピネル」。その歴史と正しいメンテナンスを知る

連載「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
ロゴ
フォールディング・ナイフ=折り畳みナイフのパイオニア的存在であり、使いやすさと高い安全性、見た目の良さで世界中のアウトドアマンから支持されている「OPINEL(オピネル)」。
2020年に130周年となる歴史とプロダクトの魅力について、日本での展開を担当している、株式会社ハイマウントの佐野さんに教えてもらった。

120年以上愛され続ける折り畳みナイフの代名詞

佐野さん
佐野さんは、プライベートでも「オピネル」を愛用しているそうだ。
——「オピネル」の創設はいつ、どこでですか?
1890年にフランスのサヴォワ地方で誕生しました。当時は鍛治が盛んだったようで、創設者のジョセフ・オピネルは祖父と父親も刃物職人。彼が折り畳み式ナイフの原型を開発したことで「オピネル」はスタートしました。
——まさに折り畳みナイフのパイオニアですね。
1955年にはジョセフの息子マルセルが、使用中と折り畳み時のどちらの状態でも刃をしっかり固定するセーフティリング「ビロブロック」を開発。この画期的なギミックは非常に高く評価され、現在のモデルにも引き継がれています。
 

フランスでは日用品といえるほど普及

ヒストリー
1955年に開発されたセーフティリングのビロブロックは、シンプルながら確実性が高く、今も改良を重ねて採用されている。
——世界中でさまざまな栄誉を得ているそうですね。
はい。ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート美術館の“世界の美品100特選”に選ばれ、フランスを代表する百科事典、ラルース百科事典には“後世に残したい品”として掲載されています。ニューヨーク近代美術館の目録にも紹介が。
——日本での認識はアウトドア用ナイフですが、フランスでは違うとか?
キャンパーや登山家が愛用するブランドのイメージは変わりませんが、それ以上に総合ナイフメーカーとして一般的な存在のようです。アウトドア、キッチン、ガーデニング、それにキッズ。フランスではカテゴリー展開も豊富なんです。子供にナイフを贈り、使い方や文化を学ばせる習慣のあるので、“最初の一本はオピネル”と言われるほどメジャー。日本でいうなら肥後の守かもしれません。


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