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2019.07.30

からだ

「体臭のきつい人」になってない?夏に知りたい「汗の管理法」

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。

自分では意外と気づかないものです(写真:Deja-vu/PIXTA)


夏、季節限定で「印象が劣化する」人がいます。

それは「スメル・ハラスメント」と呼ばれることもある「体臭」や「におい」のきつい人。どんなにファッション意識が高く、見た目を清潔にしていたとしても、すべて台無しになります。におい問題は、身内を除き、誰もその問題を指摘してくれません。つまり、自分の感度を高め、自らこの問題に直面するしかないのです。とくに、一人暮らしをしている男性にとっては必至です。

誰もが平等に陥るにおい! 発生の仕組みを知る


「スメル・ハラスメント」という言葉が登場し数年経ちますが、におい対策の市場はいまだ広がりを見せています。強いにおいに変わる汗は、主に脇の汗腺から分泌されています。また、「汗自体はにおわない!」という逸話は有名です。

「皮膚の常在菌が汗を分解したときに発生するガス」、これがにおいの正体だといわれています。シンプルですが、常在菌に分解される前に脇汗を拭うこと。これこそ最大の対策ですが、人前でこまめに脇汗を拭うことはなかなかできません。

有効な対策の1つは、ポロシャツ・ワイシャツの下に肌着を身に着けて汗を吸わせること。天然繊維のコットン肌着は汗を吸ってくれます。もはやにおい対策の基本ともいえます。私も着こなしのアドバイスという仕事柄、長らく天然繊維を推奨していました。ところが、分泌が多い人はこれでは不足です。速乾機能がついた化学繊維の肌着のほうが効果は高いのです。

天然繊維の肌着は汗を吸収してくれますが、そのキャパシティーには限界があります。1日を終えて帰宅したとき、「湿った肌着から汗くさいにおいがする!」という経験は誰しもあるのではないでしょうか。汗を吸った肌着に皮膚が触れ、常在菌が汗を分解し、1日着込んだ肌着からにおいが発生するからです。

一方、速乾機能や接触冷感など、ユニクロのエアリズムのような肌着を「機能性下着」といいます。ナイロン84%、ポリウレタン16%の肌着は、「毛細管現象」という科学的アプローチによって、脇から発生した汗を肌着全体に分散させてくれます。ただし、肌着自体は汗を吸ってくれません。ところが、菌に分解される前に、汗が蒸発しやすい環境がつくられます。

もちろん、それでも汗を拭う必要がゼロになる訳ではありませんが、頻度は下げられます。例えば、使い捨ての制汗デオドラントシートの消費量を減らせば節約にもなるでしょう。このとき、ミニタオルのようなもので汗を拭く人も多いですが、私は使い捨ての制汗シートを強く薦めています。

「いちいち買っていたらもったいない」という意見もあるでしょう。ただ、夜まで同じミニタオルを使っていれば、汗とともに拭った皮膚常在菌でタオル自体が臭くなります。



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