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2019.04.13

あそぶ

ひとりだからできる「自由気まま旅」。バイカーならではのソロキャンプ事情

アウトドアがかつてないほどに関心を集め、第2次キャンプブームの到来とも言われている。そんな中、ファミリーキャンプには飽き足らず、ソロキャンプを楽しむ男たちが、少しずつ増えているようだ。なぜ、彼らはあえてひとりになり、どのように楽しんでいるのだろう? ソロキャンプの達人にその魅力を訊いた。

会社員 難波 広さん(54歳)
ソロキャンプ歴:5年
1965年生まれ、神奈川県出身。海外出張も多く多忙を極めるなか、ソロキャンプの時間を設ける難波さん。奥さまは大型自動二輪免許、娘さんは中型自動二輪免許を保有するバイカーファミリーで、ソロキャンプへの理解もあるというから羨ましい。
 

どこでも行けるバイクがあればソロキャンプは楽しくなる

BMWの自動車部門を経て、現在はバイク部門に勤務している難波さん。BMWの大型バイクを何台も乗り継いで、今の愛車はR1200GSだ。
以前乗っていたのは長距離運転に最適なツアラーのK1600GTL。
以前乗っていたのは長距離運転に最適なツアラーのK1600GTL。この写真は残雪の季節の榛名湖へのツーリングしたときのもの。ソロキャンプデビュー時はこのオンロードタイプのツアラーが相棒だった。
「昔から、仲間とツーリングへ出かけてキャンプをしていましたが、みんなのスケジュールがなかなか合わない。それじゃひとりでも行ってみるかと思い立ち、ソロキャンプを始めました。
とにかく行きたいときに行きたい場所に、気ままで行動できるのがソロキャンプ最大の魅力。最初の頃は、オートキャンプ場を利用していましたが、それでは物足りず、人の気配がない山林などで過ごすようになりました」。
だいたい目的地を決めずに旅へ出るが、中部地方と伊豆半島へ足を向けることが多い。ひとしきりソロキャンプを満喫した翌日は、美味しい蕎麦店を探して腹を満たし、温泉に浸かるのが至福のコース。
地元スーパーで食材を買い、テントを設営し、調理して夕食を取る。木々のざわめき以外は無音の暗闇で、コーヒーの匂いを嗅ぎ、揺らめく炎を見つめていると、五感が研ぎ澄まされていくことが魅力だ。だが、ときにはトラブルに遭遇することも。
コンパクトに収納でき、風を送る必要がないユニフレームの焚き火台を愛用している。
「長野の山林でキャンプ泊をした翌朝、豪雨が。当時はオンロード用の大型バイクで、ぬかるんだ地面にハマり転倒してしまったのです。もちろん周囲に助けはいない。300㎏超えの車体をひとりで立て直さなければならず困り果てました。今では苦くもいい思い出ですね」。
石井文仁=写真(人物) 高橋庄太郎=文 川瀬拓郎=編集・文


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