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2019.04.10

ライフ

その土地ならではの食は海旅の楽しみ 〜Eat Local〜

ただくつろぐだけでも気持ち良い時間を過ごせ、サーフィンをした瞬間に人生は大きく変わってしまう。ひとつのシーンからそんな海の魅力を発見していくコラム。

今回は「Eat Local」

アルゼンチンで「世界イチ旨いから食べとけ」と振る舞われたのが同国のバーべキュー、アサード。
アルゼンチンで「世界イチ旨いから食べとけ」と振る舞われたのが同国のバーべキュー、アサード。牛の数が人口より多いといわれる国だけに牛肉は主食で、1人当たり年間50kg以上も食べるという。
アサードにありつけたのは地元サーファーに誘われたため。行ってみると、商店街の精肉店で5000円で買った上質の赤身肉6kgを弱火でじっくり焼いていた。焼きあがるまでの2時間、集った連中はワインを片手にサーフ談義。今日の波はどうだ、明日の波はこうだ、そんな話が延々続いた。
かつて鎌倉・七里ヶ浜の海の正面にあった「ジェイジェイ・モンクス」でもそんな光景があった。外国人プロをアテンドした地元のサーファーたちが誘い、サーフ話を肴に地産の食材による料理を楽しんだのだ。
その土地ならではの波と食は良好な関係にあるのだから、海から上がった時間も大切にしたい。会話や食材など、食の時間を通して見えてくるものもある。見識が広がるのである。
memo
アルゼンチンでは来る日も来る日もウェルダンに焼かれた肉を食べた。赤身肉なうえじっくり焼いているから脂がしっかり落ち、噛むほどに肉の旨味が口の中に広がった。上の写真に写るソーセージ状のものはチョリソー。これをパンで挟んだチョリパンは同国のソウルフードといわれる。同様に欧州のバスクならバルでピンチョスやシードルを。カリフォルニアなら移民による本場の料理を。といった具合に、ご当地グルメも海旅の楽しみにしたい。

高橋賢勇=写真 小山内 隆=編集・文


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