筆を持て、野に出よう。今、メディアからも注目されている、硯を石から削り出す「製硯師」の青栁貴史氏と、日本のアウトドアアクティビティを牽引するモンベルが共同開発して作ったのが、「野筆(のふで)」なるもの。
古の日本人が使っていた携帯毛筆セット「矢立」の現代版のようなもので、毛筆、墨、硯板、水差し、ポケットティッシュがグッドデザインのケースに収まり、携帯できるのだ。渓谷のせせらぎを、山頂からの絶景を、野山での感動を絵葉書や短冊にしたためる。
野で筆を使うなんて、趣味のいい大人の“趣味”として楽しめそうだし、いつもの風景を見る目も変わりそう。さすがは携帯茶道セット「野点(のだて)」でも知られるモンベル。毛筆使いのグッドパートナーを得て生まれた「野筆」があれば、春のアウトドアがいっそう楽しくなることだろう。
鈴木泰之=写真 柴山陽平=スタイリング 加瀬友重、髙村将司、実川 実、iconic=文