妻からの「キツイひと言」読解講座 Vol.1
2019.02.20
LIFE STYLE

帰宅後、妻から言われた「なんで帰ってきたの?」の裏にある事情

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連載「妻からの『キツイひと言』読解講座」
子供ができてから妻が厳しい……。そんな言葉をよく耳にします。でもちょっと待って! その裏には、妻たちの本心が隠されているかもしれませんよ。そこで、男性読者にアンケートを実施し、「妻から浴びせられたショックなひと言」を集めました。さらに、妻たちの本音を探るべく、アンケート結果を元に数人の子育て中の女性にヒアリング。絶賛子育て中のママ編集者が、キツイ言葉の裏に隠された妻の本心を探ります。

まず第1回は、出勤前や帰宅後に妻から言われたキツい言葉について考えてみたいと思います。

「できるだけ遅く帰ってきて」には2つの理由がある

「帰宅時間について妻から『できるだけ遅く帰ってきてほしい』と言われた」(45歳)
「子供が寝るタイミングで帰宅したら『なんで帰ってきたの?』とひと言」(36歳)

このように、帰宅時間や帰宅のタイミングについて、妻からキツイひと言を言われる夫は多いようです。これについて、妻たちの言い分を聞くと、夫に遅く帰ってきてほしい理由はいくつかありました。1つは、子供の生活習慣を乱したくないということ。

「子供が寝ようとしている時間帯に夫に帰ってこられると本当に困ります。せっかく夕食、お風呂、歯磨きまで終えて、いざ寝かしつけというタイミングで帰ってくると、これまでの努力がゼロになっちゃう感じがするんです。食事、お風呂、歯磨きまでの一連の流れ、大人と違って3〜4歳の子供がスムーズにやるわけないじゃないですか。おだてたり、なだめたり、叱ったり、あの手この手で子供をうまく導いて、『やっと今日は9時に寝かしつけ成功か!』と思ったところに、パパが帰ってきて、子供がパパと一緒に遊びだしちゃうって、ほんと最悪です。『夜中まで帰ってくるな!』と言いたくなる気持ちわかります」(3歳・娘のママ)。

働くママの場合、保育園に6時にお迎えに行って、9時には寝かしつけたいとすると、その3時間が勝負。最近は子供の睡眠不足が問題になっていたりするので、なるべく9時までには寝かせたいというママの声は多いです。

一方で夫たちからは「そんなに厳密に9時に寝かしつけなくても、ちょっとくらい遅くなってもいいじゃん」という呑気な声も聞きます。そんなギャップから、「できるだけ遅く帰ってきて」という言葉が出てしまうのかもしれません。

また、もう1つの理由として考えられるのが、夫の夕食問題です。

「中途半端な時間に帰ってこられると、夫の夕食の準備と子供の寝かしつけが重なって、バタバタするので嫌です。外で食べてくるからいらない、と言われたほうが楽」(7歳・息子、3歳・娘のママ)。

このママは、夫の分を別に作るわけではないそうですが、子供を寝かしつけようとしているときに、作っておいた料理を温め直したり、ごはんをよそったりという、パパの食事の準備をしなければならないのが嫌だということでした。

また、専業主婦のママたちからは「食べるか食べないかわからないので、夫から『これから帰る』という連絡をもらってから作ります。そのため夕食は、先に自分と子供の分を作り、その後連絡をもらってから夫の分を作るというふうに、毎日2度作ることになります。それが本当に面倒で……」といった意見もちらほらありました。そうなると、外で食べて帰ってくるから夕食いらないよ、と言われたほうが楽なのかもしれませんね。

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朝、いつもより遅く出かける日に「まだいたの?」「なんでいるの?」

「家の近くの仕事先に直行だったので朝ゆっくりしていたら『なんでいるの?』と言われました」(40歳)
「仕事でアポイント先に直行だった日、いつもより遅く出ても間に合いそうだったので家にいたら『まだいたの?』と言われてショック」(42歳)

いつもは8時前には家を出ている夫が、ごくたまに、営業先に直行するなどの理由から9時や10時頃まで、家でのんびり過ごしているという状況。そうやって、ソファでダラダラしていたときに妻から浴びせられるのが「まだいたの?」「なんでいるの?」のひと言。

「こう思ってしまうこと、ありますよね。毎日だいたい決まった流れで家事をこなしていくのに、いつもは8時には家を出る夫に9時や10時まで自宅でダラダラされると、こっちの仕事のペースが狂うんです。おまけに、お茶飲みたいとか、新聞とってとか言われると仕事が中断しますし……」(8歳、5歳、2歳のママ)。

専業主婦の妻にとっては、家庭は職場みたいなもの。例えば、この状況を会社に置き換えると、普段は6時には帰る上司が、なぜだか夜遅くまで残っている、というような感じでしょうか。そういうときは自分の作業に集中できないという感覚に似ています。

また、主婦業は365日休みというものがありません。しかも家事って、真面目にやろうとすると、かなりの重労働。そんな主婦にとっては、夫が仕事に出かけて、その日の午前中の家事をこなし、空いた時間にひと息つくのがオフタイムと言えます。でも、そこに夫がいたら、ちょっと邪魔だなと思う気持ちも芽生えるかもしれません。そんな気持ちから、思わず「まだいたの?」と言ってしまったという可能性もあります。

「外で働くほうが大変で、主婦業はラク」などとお思いの男性もいるかもしれませんが、主婦業や子育てを本気で毎日やろうとすると、かなり重労働ですし、外で働くのと違って、成果がすぐに見えないという点で、忍耐力や精神力も必要なんです。

「仕事に出かける時間や帰宅時間くらい、好きに決めたい」と思うかもしれませんが、妻の都合もよく聞いて、意見を取り入れるのが、妻にとって理解のある夫になるためには必要なのではないでしょうか。


相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小学校に入学する娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。

MIYU=イラスト

ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:35〜45歳、子持ちの既婚男性200人

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