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初めてのハワイ島でホロホロすべき2つの町と見るべきモノ

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“じゃないほう”のハワイに、40代が旅に出る理由
忙しさに追われる毎日、たまにはハワイで静かに過ごしたい。気持ちはよくわかる。ならばいつものオアフではなく「ハワイ島」を目指すがいい。
通称「ビッグアイランド」には、ほかでは味わえないメローな時間が流れているから。そんなハワイ島の魅力を3回にわたってお届け。最終回は「ホロホロすべき2つの町と見るべきモノ」の紹介だ。

>ハワイ島 第1回「“何もしない”ホテル編」はこちら
>ハワイ島 第2回「地球の“ほぼ全部”を味わう自然編」はこちら

ハワイ島の町に懐かしさを感じるのは日系人の文化があるから

これまでに紹介したハワイ島の魅力である、「何もしないリゾートホテル」や「地球のほぼ全部を感じられる自然」。種類は違うが、どちらも“癒やし”が魅力の鍵になっている。

そしてハワイ島の“癒やし”は、ちょっと町歩きをしただけでも得ることができる。ノスタルジックで懐かしさを感じさせる町並みが、ただそこにいるだけで、安らいだ気分にさせてくれるのだ。

特に、ハワイ島北部と東部にかけては古い町並みが残っており、それが観光スポットにもなっている。まるで映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に描かれた1955年のヒルバレーのような、古き佳きアメリカの町がハワイ島には未だに息づいているのだ。

だが、古き佳きアメリカでありながら、なぜか日本人にも、懐かしくホッとする。その理由は、ハワイ島の日系人の歴史にある。

1850年頃からサトウキビ栽培が盛んになり人手不足となったハワイ王国では、1860年から積極的に国外の労働力を求めるようになる。そこで日本の江戸幕府と(のちに明治政府と)交渉が行われ、多くの日本人が移民として海を渡ることになった。初期の移住は、とくにサトウキビ栽培が盛んだったハワイ島が中心だったという。

その後、ハワイ王国がアメリカに併合され、1924年の移民法成立で移住が不可能になるまで移民は続いた。一説には約22万人がハワイに渡り、第二次世界大戦前にはハワイ人口の4割を日系人が占めていたという。今、ハワイ島に残るオールドタウンは、そういった日系人が作り上げた町なのだ。

日本からハワイ島を訪れたなら、日本人ともゆかりの深いこれらのオールドタウンに足を運ばない手はない。中でも必ず訪れたい町がホノカアとヒロだ。


ーホノカアー
映画『ホノカアボーイ』の舞台になった時間が止まった町

ホノカアは、ハワイ島北東部の町。1870年代から約100年に渡りサトウキビ産業で栄えたが、今はひっそりした佇まいだ。しかし、そのお陰で極端な開発が進まず、今でも1900年代前半の建物が並び、昔ながらの姿を残している。

第2回で紹介したワイピオ渓谷への入口となる町なので、ついでに足を伸ばす観光客も多い。ハワイ島ならではのゆったりとした時間が流れるロコな雰囲気を味わえるのが魅力だ。

メインストリートであるママネ・ストリートには味のあるカフェやロコレストラン、センスのいい雑貨屋やアンティークショップなどが並ぶ。

シンプリー・ナチュラルの外観
ママネ・ストリートに面した「シンプリー・ナチュラル」は、地元民に愛される絶品サンドイッチや、果物が濃厚なスムージーが味わえる店。
インテリア雑貨の店「ホノカア・マーケット・プレイス」
「ホノカア・マーケット・プレイス」はアロハな雰囲気の流れるインテリア雑貨の店。ハワイアンキルトなど地元の商品も多く、お土産選びにはピッタリだ。

そして、ホノカアのメインスポットと言えば、「ホノカア・ピープルズ・シアター」だ。今から約90年前に建てられ、外装には建物名とともに「1930」という施工年が記されている。

映画好きならば、吉田玲雄が原作、岡田将生が主演したハワイの日系人コミュニティを描いた映画『ホノカアボーイ』の舞台となった映画館と言ったほうが伝わるかもしれない。2009年公開の映画だが、今でもファンが日本から訪れるという。この映画館でも上映されたことがあるそうだ。

ホノカア・ピープルズ・シアターの外観
映画館の中にはちょっとしたカフェがあり、そこで地元の人たちがのんびりとお茶をしている。その光景自体が映画のひとコマのよう。


ハワイ随一と評される「マラサダ」の優しい甘さにほっこり

メインストリートのママネ・ストリートにもレストランやカフェはあるが、せっかくなら少し離れた場所にあり、地元民からも愛される「TEXドライブイン」に立ち寄ってほしい。オススメは、なんといってもハワイ随一の美味しさと言われる「マラサダ」だ。

ひとつ1.3ドルのマサラダ。
大人の手のひらぐらいのボリューミーなマラサダは、ひとつ1.3ドル(プレーン)。さらにボリューミーなクリーム入りもある。

マラサダはハワイを代表するお菓子で、日本でいう揚げパンのようなもの。もともとはポルトガルの伝統的なお菓子で、ポルトガル移民によって広まった。店によって形や大きさ、食感、砂糖の使い方などが異なり、ロコたちはそれぞれにお気に入りの店を持っているのだとか。

TEXドライブイン
マラサダ以外にもプレートランチやハンバーガーもあり、多くの地元民に愛されている。日系人も多く、その中に混じって食べていると、不思議と落ち着いた懐かしい気分が味わえる。

「TEXドライブイン」のマラサダは、その大きさと四角い形が特徴。揚げているところをガラス越しに見ることができ、その光景は空腹をさらに加速させる。揚げたては熱々でフワッとした仕上がり。全体に粒が大きい砂糖がまぶしてあり、カブリつくとモチモチとした食感がたまらない。1つでも十分に満足できるサイズなので、ランチ代わりにしてもいいだろう。


ーヒロー
ホノルルに次ぐ規模のビッグタウン。ダウンタウンは懐かしさ満載

ホノカアを後にして1時間ほどクルマを走らせるとヒロの町に到着する。こちらは、ハワイ島でもっとも大きな町で経済の中心。ハワイ州の中でもホノルルに次ぐ経済規模だという。といってもホノルルとは違い、懐かしい雰囲気を多分に残している。

特にダウンタウンは、サトウキビ産業で町が栄え始めた100年以上前の建物が多く残っている。ホノカアに比べるとカラフルな建物が多いのも特徴だ。また、この町も多くの日系人が中心になって発展させただけに、オールドアメリカのノスタルジックだけでない、日本人にも居心地の良さを感じさせる。

その中心が、ランドマークにもなっている2つの映画館。「パレス・シアター」と「クレス シネマズ」だ。

「パレス・シアター」のオープンは1925年。当時ハワイ島でいちばん大きく豪華だった映画館で、その活況を今に伝えている。もちろん今も現役で、映画だけでなく演劇やミュージカルも開催されているという。夜になるとネオンで彩られ、まるで1900年代前半、戦前の日本でも見られた劇場やナイトショーが華やぐ繁華街に、タイムスリップしたような雰囲気に包まれる。

パレス・シアターの外観。
1900年前半から地元の娯楽の場として活躍し続けている。現在は、個人やグループ、企業で借りることもできるという。

もうひとつの「クレス シネマズ」も同じく1932年オープンの映画館で現在は教会として使用されている。注目したいのは、そのデザインだ。1925年のパリ万博をきっかけに世界中で注目されたアールデコ様式が強く反映されている。昔は日本の百貨店や庁舎などでもよく見られた様式で、建築に興味あるなら、その歴史に思いを馳せるのもいいだろう。

クレス・シアターの外観。
今は教会だが、以前は百貨店としても利用されていた「クレス シネマズ」。ヒロは2度、大きな津波で被害を受けているが、そのどちらも乗り越えた堅牢な造り。


ハワイ島発、世界的に有名な2つのグルメ

ヒロを訪れたら、ぜひ堪能してほしいグルメが2つある。
1つは日本でもお馴染みの「ロコモコ」で、その発祥といわれるのが「Cafe 100」。日系人のオーナーが地元の若者のために安くて美味しい、そしてお腹がいっぱいになるフードを作ったのが始まりだとか。

もう1つは「ビッグアイランドキャンディーズ」。1977年創業のチョコレート&クッキーブランドだ。ハワイ土産の定番で、オアフ島のアラモアナセンターにも支店があるが、クッキーを製造する工程も見られるのはこの本店だけ。定番の「ショ-トブレッド・クッキー」は、バターとマカデミア・ナッツがたっぷり。サクサクとした食感がたまらない。懐かしさを感じさせる王道のクッキーは、チョコレートディップされたタイプも人気。

「ビッグアイランドキャンディーズ」のパッケージ。
「ビッグアイランドキャンディーズ」は、ハワイらしいモチーフのパッケージも人気。お土産として女性ウケも良好。

ハワイ島の北、東部には、ホノカアやヒロを始めとして、懐かしい町並みが多く残っている。日本から遥か遠い南の島なのに、どこか“三丁目の夕日”的な日本人の原風景を彷彿させる不思議な感覚は、ここでしか味わえないだろう。

高級リゾートや圧巻の大自然のあとは、肩の力を抜きながらハワイ島をホロホロ(ハワイ語で「ぶらぶら、散歩」)する過ごし方もまた、心をホロリとほぐしてくれるはずだ。

[取材協力]
ビッグアイランドクレスト
https://hawaiicrest.com

山本佳代子=撮影 笹林司=取材・文

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