2019.01.17
LIFE STYLE

2019年の日本がきっとフィーバーする「スポーツの3大要素」

平成の歌姫の引退劇に炭酸水の爆発的なヒットなど。 2018年も多くのトレンドが生まれたが、 2019年は何が話題になるだろう?
オッサンが知っておくべき流行予測を7人の識者に依頼した。今回はスポーツ専門誌でも活躍するライター・田澤健一郎さんによる、2019年に日本を熱狂させる3つのニュースについて。

平昌五輪、サッカー・ワールドカップ、大坂なおみのブレイクと2018年も盛り上がった日本のスポーツ界。2019年も今から楽しみなスポーツイベントや活躍が期待されるアスリートがたくさんいる。今回はそんな2019年に注目すべきスポーツの話題をいくつか紹介しよう。

[2019年のスポーツはこうなる!]
①ラグビーワールド杯が世界中の注目を集める!
②日本人選手がNBAでドラフト上位に入る可能性あり!
③東京五輪出場枠を賭けた選手同士の戦いが始まる!

予測①ラグビーワールド杯が世界中の注目を集める!

2018年11月3日に行われた「リポビタンDチャレンジカップ2018」の日本代表vsニュージーランド代表戦。©JRFU

まず一大イベントといえば日本で開催されるラグビーのワールドカップだろう。アジアでの開催は初、2019年9月20日(金)の開幕から11月2日(土)の決勝戦まで、日本は世界のラグビーファンから注目される1カ月半となる。

ホスト国の日本はオープニングゲームでロシアと対戦する。前回、2015年のワールドカップの一次リーグ・南アフリカ戦で「世紀の番狂わせ」と呼ばれた勝利を皮切りに、ワールドカップでの連敗を止め、史上最高となる3勝1敗の好成績をマークしたことは多くの人の記憶に残っているだろう。

今回はそれでも叶えられなかった一次リーグ突破、ベスト8が目標だ。日本が一次リーグを戦うプールAの対戦国はロシアのほか、アイルランド、スコットランド、サモア。世界ランキング上位のアイルランド、スコットランドにどんな戦いができるかがポイントになる。

前回は南アフリカの歴史的勝利のあと、中3日しかないなかでスコットランドと対戦して大敗したことが響き、一次リーグを突破できなかった。だが、今回の日本は各試合、日程に余裕がある。このアドバンテージを活かせるかはひとつのカギ。特にスコットランド戦は日本が中7日に対して相手は中3日。それが一次リーグ最後の試合となる。前回とは逆の条件となるこの一戦がヤマになる可能性は高い。

ただ、日本の戦いは気になるところだが、そうでなくても世界の強豪が集い、本気でぶつかるワールドカップを自国で観戦できるのは、おそらく一生に一度の貴重な機会。全国12会場で開催される全48試合、チャンスがあれば、ぜひスタジアムに足を運んでほしい。


予測②日本人選手がNBAでドラフト上位に入る可能性あり!

さて、次にアスリートだが、今年も昨年の大坂なおみ同様、海外を拠点にプレーする選手たちが注目を集めそうだ。なかでも最注目はバスケットボールの八村塁(はちむらるい)だろう。

ダンクシュートを決めにいくゴンザガ大学の八村塁。

現在、アメリカのNCAA(全米大学体育協会)一部リーグの強豪、ゴンザガ大学に所属する八村だが、昨年から全米でも評価が急上昇。NBAの有力なドラフト候補、上位候補もあり得るとまで言われている。

アメリカでは大学2年生からNBAのドラフト資格を得る。昨年、田臥勇太に続き、渡邊雄太が日本人2人目のNBAプレーヤーとなったが、八村が3人目となるのはほぼ確実だ。そして日本人初のドラフト指名選手としてコートに立てば日本でフィーバーが起きてもおかしくない。Bリーグの誕生、渡邊雄太のNBAデビューと吉報が続くバスケットボール界の、さらなる追い風となりそうだ。

八村は1998年生まれ、ベナン人の父と日本人の母の間に富山県富山市で生まれた。富山市立奥田中学でバスケットボールを始め、3年時には全国準優勝。高校は宮城の強豪・明成に進みウインターカップ3連覇を達成。夢であったNBA選手を目指して渡米した。

恵まれたサイズ、強靱なフィジカルに加え、実戦的なプレーも成長中。まだまだ伸びしろは大きいと関係者は口を揃える。NBAでの活躍はもちろん、本人と日本代表の状況次第ではあるが、2020年には五輪出場を巡っても話題を呼ぶだろう。

気になるNBAのドラフトは2019年6月。日本バスケットボール界にまた新たな歴史が刻まれるか、楽しみに待ちたい。


予測③東京五輪出場枠を賭けた選手同士の戦いが始まる!

最後はやはり東京オリンピックの話題で締めよう。大会まであと1年。となると、注目が集まるのは本格化してくる各競技のオリンピック出場を巡る戦いである。今回は自国開催のため開催国枠が設けられる競技も多いが、その枠を巡る国内選手たちの争いは激しく、厳しい。

2018年10月7日、シカゴマラソンへ出場し、2時間05分50秒(3位)の日本新記録でゴールした大迫傑選手。©EKIDEN News

なかでも俄然おもしろくなってきたのが男子マラソンだ。長く更新されることのなかった日本記録を、昨年2月の東京マラソンで設楽悠太が2時間6分11秒という記録で16年ぶりに破ると、今度は10月に大迫傑がシカゴマラソンで3位入賞して設楽の記録を更新。日本人初となる2時間5分台、2時間5分50秒という記録をマークした。

長く停滞していた日本の男子マラソンが新しい時代へと入ってきた予感。ちなみに大迫が所属する「ナイキ・オレゴン・プロジェクト」はナイキがアメリカで展開している陸上競技チーム。大迫が「海外拠点」選手であることは興味深い。

そんな進化するランナーたちが、東京オリンピック代表3枠を目指してしのぎを削るのが2019年だ。

これまでマラソンのオリンピック代表選手選考は基準が曖昧だと物議を醸すことも多かったが、東京オリンピックからは新たな選考方法が実施される。2019年9月15日(日)に東京オリンピックとほぼ同じコースで開催される「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)で優勝すれば即代表内定となるのだ。

さらに2位、3位のうち、「MGC派遣設定記録」を突破した最上位者も2枠目の代表に内定。「MGC派遣設定記録」突破者がいない場合は2位の選手が自動的に内定する。つまり「選考レース」が行われるのである。このMGCに出場できるのは、2017年〜2018年、2018年〜2019年の2シーズンの定められた国内大会および2019年4月30日(火)までの国際陸連公認大会で出場条件を満たす成績を残した選手。その戦いも注目である。

また、残り1枠は「MGCファイナルチャレンジ」と名付けられた2019年冬〜2020年春の対象国内大会で、上記同様、派遣設定記録を突破した記録最上位者が内定となっている(条件を満たす選手がいない場合、MGS2位または3位の選手が内定)。

過去の代表選手選考に比べ、非常に透明性が高く、また一発勝負という要素もある選考方法。レースの注目度、熱度の高さは言うまでもない。


さまざまなドラマ、歴史的瞬間が生まれそうな2019年のスポーツ界。アスリートたちの人生を懸けた挑戦は、観戦する我々にも勇気と感銘を与えてくれることは間違いない。その戦いをぜひ楽しみに待っていてほしい。


田澤健一郎(たざわ・けんいちろう)
1975年生まれ、山形県出身。大学卒業後、 出版社勤務を経てライターに。スポーツのほか歴史や建築・ 住宅の分野で活動中。共著に『永遠の一球』(河出書房新社) など。

# スポーツ# トレンド予測# マラソン# ラグビー# 八村塁# 大迫傑
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