左脳を刺激する! オッサンIT化計画 Vol.58
2018.12.18
LIFE STYLE

意外と硬派!高度なプログラムもできる5000円の教育キット「embot」

このところ毎月のように登場している、子供のプログラミング教育に役立つとされる知育ガジェットたち。レベルや価格も幅広いため、どれから手を付ければ良いか迷っている親も多いだろう。

そこで紹介したいのが、NTTドコモとイーフロー、インフォディオの合同プロジェクトで生まれたプログラミング教育用ダンボールロボット「embot(エンボット)」(4800円/送料別)。価格や見た目以上に“本格的”な学習ができる、大人にも役立つアイテムだ。

 

いかにも教材然とした佇まいが、むしろ魅力的な「エンボット」

2020年から始まる、小学校でのプログラミング教育必修化に向け、すでに数多くリリースされている、プログラムの基礎を学ぶための知育ガジェット。比較的後発の部類に入る「エンボット」だが、それだけに約5000円というこなれた価格を含め、他の製品とは一味違う特徴を数多く備えている。

第一の特徴となるのは、家庭向けとしてだけでなく、学校や地域コミュニティなどで行われるプログラミング教室での活用を想定している点だろう。

パッケージを開けてみればわかるが、ロボット本体の素材となる段ボールや電子系パーツのデザインや質感も、いかにも教材といった印象。同種の知育ガジェットに比べややそっけない感じもするが、オッサン世代としては少年時代に親しんだ学習雑誌の付録を彷彿させるところもあり、むしろ知的好奇心をくすぐられてしまった。

 

ロボットを組み立てる工作の過程だけでも十分に楽しめる

ロボットの組み立ては、ゆっくりと取り組んでも、30分~40分くらいで完了する。

一部に糊付けが必要な工程もあるが、基本的には段ボールシートからパーツをくり抜き、パーツに印刷されたマークの指示に従い折りたたんだりはめ込んだりするだけなので、親子で一緒に組み立てれば、大きく躓くことはないだろう。

電子系パーツの組み立ても、色分けされた配線の向きに注意する程度で、特に難しいことはない。
パーツのデザインがシンプルなぶん、ちょっと大人っぽいというか、本格的な電子工作をしているような気持ちになれるのも、「エンボット」の特徴といえるのかもしれない。
付属の組み立てマニュアルは、説明が簡潔になっているために、ちょっとわかりにくい工程もあるが、公式のチュートリアルサイトにアップされている動画を参照すれば、すぐに理解できる。
耳や目(種類を選ぶことができる)をつければ、ロボットの完成。大人目線だと、素のままでも十分にカワイイのだが、色を塗ったり自分で装飾をつけ足したりする楽しみもある。

完成した「エンボット」は、全高約15cm。ロボットというよりは、マスコットのような見た目で置物としてもキュートだ。

ここまででも工作としてかなり楽しめたが、本番はこれから。さっそくロボットを動かすためのプログラミング手順を体験してみよう。

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プログラミングの手順を「正しく」教えたいというコンセプトが◎

「エンボット」のプログラミングは、専用アプリをインストールしたスマートフォンまたはタブレットで行う。まずは、ロボット本体と端末をBluetoothで接続する。

ロボットを動かすプログラミングのスタイルが、豊富に用意されている点は、「エンボット」最大の特徴と言えるかもしれない。

基本となるのは、命令が収められたブロックを並べてプログラムするモードだ。腕を動かす、ランプを点滅させるといった基本動作の制御は、このモードで行う。

パーツを取り出し順番に並べていくだけで簡単なプログラムが組めるため、他のプログラミング教育ガジェットでも用いられているのだが、「エンボット」のそれは少しだけ高度になっている。

例えば、ロボットの腕を動かす場合「サーボ1(通常は左腕)の角度をXX度にする」というように、細かな設定ができるようになっているのだ。

また、プログラムをする際、先頭に必ず文法でいえば主語に当たる「何を動かすのか」を指示する必要がある点も興味深いところ。具体的には、動かすロボットの名前(Bluetooth接続時に指定する)を入れなければならないのである。

この点だけでもプログラムの基本文法を正しく教えたいというコンセプトを強く感じた(複数のロボットを操作することを想定しているのかもしれないが)。小さな子供向け(対象年齢は一応6歳以上)として、ここまで“正しさ”にこだわっている製品って、意外と少ないのではないだろうか。

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他の製品にはない高度なプログラムが可能。大人向けの教材としても好適

モードを変えることで、条件分岐(if文)や繰り返し(for)などを使った複雑なプログラムができるようになるのも、同種の製品にはなかなか見られない特徴だ。

腕を動かす、ランプを制御するといった動作は「function(関数)」の中に収め、関数を使う順番や条件を別画面で指示するという手順は、まさに本格的なプログラミングそのもの。それだけに、正直このレベルになると小学生高学年でも難しいのでは? という気もするのだが、公式サイトにチュートリアルやドリルが用意されているので、それらを参照しながら、まさに「勉強」していけば良い、ということなのだろう。このあたりも、玩具というよりは明らかに教材という感じだ。

ちなみに、さらに高度なモードを選ぶと、スマートフォンやタブレットに内蔵されたセンサーを使い、端末の動きにあわせてロボットを制御するといったこともできる……みたいなのだが。残念ながら今回は、筆者のスキル不足でそこまでたどり着くことができなかった。

何度か触れたように、玩具というよりも教材という印象が強い「エンボット」。親子で使ってみる場合、大人側にある程度プログラミングのスキルがなければ、その魅力を最大限に発揮することは難しいでは、というのが試用した率直な感想だ。実際には、指導者がいる状況で教材として用いられるケースのほうが多いだろうから、それで問題はないのだろう。

一方で、本来の用途ではないのかもしれないが、プログラミングの基本から中級程度の知識を得たい大人向けの教材として、「エンボット」はかなり魅力的な製品とも考えられる。特に条件分岐や繰り返しを含む、本格的なプログラムの構造と作成手順を理解するためには、打ってつけの教材だと思った。

という点では、先にこっそり学んでおけば、子供に教えることもできるわけだから、やっぱり家庭でも使える教材なのかも? いずれにしても5000円という低価格で、ここまでできるのは凄いの一言。まずは自分のスキルアップのために購入してみてはいかがだろう。

[問い合わせ]
キッズプログラマーズ スターターキット! embot
www.embot.jp/

文=石井組郎

# IT# オッサンIT化計画# ガジェット# プログラミング# 知育
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