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2018.10.30

あそぶ

安くて美味い、のみならず。ドトールのレジ横ブレンドに「豆の深淵」を見た

連載「レジ横コーヒーのおいしいヒミツ」Vol.4
お目当てのドリンクをレジで注文、カウンターで受け取る。コーヒーショップのよくある光景。でもちょっと待った。せっかくなら、レジ横に鎮座している豆にも目を向けてみよう。そこにあるのは、各ショップが考えた“ベストなコーヒー豆”へのアプローチなのだから。
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いつもの朝、いつものお店で、いつものコーヒーを注文する。湯気を立てた黒い液体をすすれば、一日のはじまりの合図だ。そんな日常使いに定評のある「ドトールコーヒーショップ」は、店内で提供する一杯のみならず、レジ横に置かれたブレンドにもクオリティファーストを貫いている。
話を聞いたのは、ドトールコーヒーの中原康補さん。今回は中原さんに、ドトールのレジ横ブレンドに込められたこだわりと、おすすめの豆を教えてもらった。

通常の3倍の時間をかけて焙煎する「直火式」

「ドトールの豆は主に、焙煎の際に『直火式』を採用しています。これは一度に大量の豆を熱風で焙煎する『熱風式』と異なり、本来は個人経営の喫茶店などが、オリジナルの少量の豆を直火であぶるような焙煎方法。それを工業ベースにするために、独自の大型直火焙煎機を開発しました」(中原さん、以下同)。
直火式にかかる時間は、熱風式の約3倍。効率を考えれば、大手コーヒーチェーンのレギュラーメニューにあまり採用されないのも納得だ。しかしドトールでは、こだわりの直火焙煎を実現するべく、焙煎のスペシャリスト「焙煎師」を多数抱えている。
「焙煎師の仕事は、豆を“いつもの味”に仕上げるために、焙煎の度合いをコントロールすること。焙煎用の釜につきっきりになり、豆の表情や色の変化などの『豆づら』を見ながら、火の威力や焼き時間を微調整します。そもそもコーヒー豆は農産物。生産国や品種によって豆の大きさも違えば、水分量も異なります。また、その日の天気や気圧によって釜の状態も変わるため、これらをリアルタイムで察知しながら火加減を調節しないといけません」。
まさに職人芸。焙煎後はすぐさまサンプル抽出し、焙煎師同士で評価するなど、品質向上のための努力も欠かさない。その結果、ドトールのレジ横ブレンドは、5段階の幅広い焙煎レベルを用意。中煎りのミディアムローストから極深煎りのイタリアンローストまで、多彩な風味を楽しめる。


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