2018.07.23
LIFE STYLE

「好き」を仕事にはするな。「サラリーマン」こそ史上最高の職業

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。

サラリーマンがネガティブなワードという時代は終わった(写真:beer5020/iStock)

広告代理店に勤めながらも、3カ月で18カ国を制覇したリーマントラベラーこと、東松寛文氏。著書(『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』)の執筆をこなすなど、趣味の旅行も仕事になってきていますが、サラリーマンは安易に「好き」なことを仕事にすべきではない、と語ります。その真意は。

「好き」を仕事にする。実際にSNSから”ゆうこす”のようなスターも生まれてきて、「好き」を仕事にして生活できる時代が始まりました。かといって決して勘違いしてはいけないのは、本業があるサラリーマン(本文では女性の会社員の方もサラリーマンに含みます)が片手間にできるほど、「好き」を仕事にするのは容易ではありません。

「好き」を仕事にしている人たちは、その裏で絶え間ない努力をしています。そういう人たちに、サラリーマンが空いた時間で立ち向かったところで一刀両断にされます。われわれサラリーマンには1日に好きなことに割ける時間はどれだけ多くても8時間前後。しかし、すでに「好き」を仕事にしている人たちは1日24時間365日、好きなことだけに時間を割けるのです。

サラリーマンならではのメリットを活用せよ

とはいえ、働き方改革により仕事が以前より早く終わるようになり、副業解禁の流れとも相まって、「好き」を仕事にできるチャンスがサラリーマンにもめぐってきました。SNSの普及などにより、誰でも「好き」を仕事にしやすい時代なのも事実です。

ですが、サラリーマンが好きなことをうっすらでも仕事にしたいと思っているのならば、それを前面に出して仕事にしようとしては絶対にいけません。

サラリーマンなら、サラリーマンのメリットをフル活用して、戦ってみるのです。実はそうすることで、結果として「好き」が仕事になっていくことがあるのです。

「好き」を仕事にすることを長いスパンで考えたときに、サラリーマンは最強の職業なのです。その理由は、サラリーマンにはサラリーマン以外にはない3つのメリットがあるからです。

1つ目は、本業で「安定した収入がある」こと。一般的なサラリーマンは、毎月、安定した収入が入ってくると思います。そのため、好きなことで、おカネ儲けができなくても、路頭に迷うことはほぼありません。

これがフリーランスだったら、どうでしょう。好きなことで収入を得ないと、生活ができなくなります。

だからこそ、サラリーマンであれば、本業の収入を投資して、「好き」を育てることができるのです。

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サラリーマンで好きなことがある方は、空いた時間で「好き」をビジネス化するのではなく、とことんそれに打ち込みましょう。そして、その打ち込んだ先には、その「好き」が自分だけの強みになっていて、勝手に仕事になるということがあると思います。

実際に僕がそうです。旅行が好きすぎて、平日は激務の広告代理店で働く傍ら、週末で世界中を旅して「働きながら世界一周」をしていたら、気がついたら『地球の歩き方』に「旅のプロ」に選ばれ、勝手に連載の話が舞い込んできて、勝手に本の出版の話がくるようになりました。

僕は、好きでやっている活動で、旅に関する仕事は自分から営業したことは一度もありません。それでも突き抜けると、勝手に仕事になるのです。

サラリーマンには限界がある

逆に言えば、「好き」を仕事にしようとした時点で、その「好き」に伸びしろはありません。なぜなら、「好き」がどんどん消費されていくため、それを超えるインプットがないと、仕事として続かないからです。本業がサラリーマンの場合、インプット、アウトプットともできる時間に限りがあります。

2つ目のメリットは「社会的信頼がある」こと。これは特に情報発信をするときに効果を発揮します。「好き」を仕事にするうえで、誰もが通らないといけない道は情報発信です。自分の「好き」を自分だけが知っていても、決して仕事にはならないからです。

だからといって、ブログやホームページをわざわざ始める必要はありません。今やインスタグラムやツイッター、フェイスブックを使えば、十分発信することができます。

この発信において、サラリーマンであるという事実は効果を発揮します。ぜひSNSのプロフィール欄にサラリーマンであることを記載しましょう。そうすれば、何も書いていないアカウントよりも圧倒的に「信頼できる」アカウントに見えるからです。

そして、業務時間後に、可能な範囲で投稿して、発信力をつけていきましょう。1日1つでもいいので、継続的に投稿することが大事です。ちなみに将来的に「好き」を仕事にしたいと考えているのであれば、ネガティブな投稿は控えたほうがいいです。

「好き」を仕事にしている人のアカウントはほとんどがポジティブな投稿や未来の話が中心で、愚痴やねたみなどのネガティブな投稿は一切ありません。それを見て、ポジティブな人たちが集まってきて、それがさらなる情報発信力につながるからです。

また、上司や同僚とつながっているSNSがあれば、それを活用するのは、社内ブランディングとしても効果的です。社内の方にも自分の好きな活動(=社外の活動)を知ってもらうことで、応援してくれる仲間を増やし、自分が活動しやすい環境をつくりましょう。

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3つ目のメリットは「共感してくれる仲間が多い」こと。現在、役員を除く雇用者は日本全国で5460万人(総務省 2017年「労働力調査」より)。つまり、サラリーマンをしながら「好き」を発信することで、共感してもらえる可能性のある人が、日本の人口の半分くらいいるのです。

もちろん、それぞれ働き方や休日が違うので、全員に共感してもらうことは難しいですが、少なくともサラリーマンをターゲットにすれば、一定程度の共感者を期待できるので、情報発信していくうえでの強みとなります。

「サラリーマンこそ面白い」時代が始まる

僕もサラリーマンをしながら、週末に世界中を旅する様子を発信したことで、多くの旅好きのサラリーマンの方がブログや記事を読んだりしてくれるようになりました。

そうやって活動しているうちに、「旅好きのサラリーマンはただでさえ後ろ髪を引かれながら有休をとって旅行をしているので、会社の中で旅行の話がしづらい」という共通の悩みがあることがわかりました。

そして、旅好きサラリーマンの旅のナレッジシェアの場所としてオンラインサロン「リーマントラベル研究所」を立ち上げたのです。現在400人を超える方と、旅のテクニックだけでなく、旅に行く前の”社内調整術”などを日々議論しています。

『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』

これら、「安定した収入がある」「社会的信頼がある」「共感してくれる仲間が多い」という3つのメリットを持っているのは、サラリーマンだけです。そして、働き方改革で多少の時間ができ、副業解禁で環境が整った今、われわれサラリーマンは、将来「好き」を仕事にできる最大のチャンスが訪れているのです。

しかし、サラリーマンを続けながらやるのであれば、今は「好き」を育てる時期。それは難しいことはありません。「好き」をビジネス化せずにとことん打ち込むだけ。それができるのはサラリーマンだけです。

そして何よりサラリーマンであることの特権は、ノーリスクであること。給料と時間を投資して「好き」に打ち込んだ先に、たとえ失敗したとしても、本業があるわけですから路頭に迷うことはまずありません。

だから、とりあえず挑戦してみる。違ったらやめて、また違うことに挑戦する。それができるのもサラリーマンだけだと思います。

サラリーマンというワードがネガティブだった時代はもう終わりました。今の時代、サラリーマンこそ、最強の職業なのです。サラリーマンであることをフル活用して、とことん「好き」に打ち込んで、「好き」を育てましょう。

その先には「好き」を仕事にしている自分が待っているかもしれません。いよいよ「サラリーマンこそ面白い」時代が始まりました。

 

東松 寛文 : リーマントラベラー
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記事提供:東洋経済ONLINE

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