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2018.05.23

かぞく

はじめての立ち会い出産。新米オトーチャンのふるまいの最適解は?


【特集】オレが楽しいと、家族も楽しい!ーO父CHANS特別篇ー
自分と家族、双方が楽しむためのヒントを提供する本特集。今回は立ち会い出産に関するリサーチを実施。併せて、立ち会い出産で父親はどう振る舞うべきか産婦人科医に聞いてみた!



新米オトーチャンの面々、もとい体験した者でなければブラックボックスなのが出産立ち会いの場。「出産時の恨みは死ぬまで続く」なんて言葉があるが、妻は夫の一挙手一投足を細かにチェックしている。下手な行動をとると、その後の夫婦生活に支障をきたす可能性すらあるわけだ。

そんな悲惨な結末を迎えないために、今回は6歳未満のお子さんを持つ30〜40代の男女105名にアンケート調査を実施。その内実に迫ることにした。はたして男性が取るべき行動とは?(協力:ファストアスク)

 

出産の苦難をともに乗り越えることで、夫婦の仲は深まる!?

「立ち会い出産をしたことがありますか?」という質問に対し、76.2%が「はい」と回答。そのうち「やってよかった」と回答したのは80.0%にのぼった。大多数が出産立ち会いに対してポジティブに考えていることがうかがえる。



出産に立ち会った理由も「産まれる瞬間にその場にいたかったから」(36歳)、「一生に一回しか機会がないかもしれないので」(36歳)、「生命の誕生の感動を一緒に味わいたかった」(39歳)など、喜びを夫婦で分かち合いたいという意見が大多数を占めた。

また女性からの意見には「旦那に大変さを見てほしかった」(38歳)、「男の人にも、お産は大変だよ!ってことをわかってもらいたかったから!」(39歳)、など、出産の大変さやつらさを男性にもわかってほしいと考える人がいることも判明。

苦難をともに乗り越えた経験があることで、夫婦の気持ちもひとつになり、子育てのスタートラインを同時に切れるのかもしれない。

 

妻は出産中でも、夫の行動を見て分析している!

では、出産に立ち会うことになった男性は、実際にどのようなことをしたのだろうか。

そのうちの多くは「手を握ったり、一緒に力んだりした」(41歳)、「背中をさすったり、水分補給のために手渡したりしていた」(37歳)など妻の出産を後押しする人と、「見守ってた」(43歳)、「ただひたすら祈ってた」(35歳)など現場に立ち会いつつも、出産は女性に任せることを選択する人に分かれた。

なかには「ただボーッと突っ立っていた」(38歳)と何もできずにいた人や、「ギャグで場を和ませるように心がけた」(40歳)とユニークな取り組みをした人などもいたが、どちらかというと「何もできない」という無力感を感じる男性が多い印象だ。

こうしたオトーチャンたちのさまざまなアクションをもっとも冷静に見ているのが、実は出産の苦しみに耐えている妻だったりする。

実際、アンケートへのコメントでも「旦那が何もしない。空気が読めなくてむしろ邪魔だった」(38歳)、「夫の頼りなさを感じた」(40歳)、「ほっといてほしかった」(39歳)など辛辣な意見も目立つ。これを見る限り出産時の恨みは死ぬまで続くというのは、まんざら嘘ではなさそうなことがわかる。

 

予習しすぎは逆効果? 病院側とコミュニケーションを!


ちなみに、日本産科婦人科学会が公表している資料によれば、出産にかかる時間は初産婦で11〜15時間、経産婦で5〜8時間。かなりの長丁場になる。とはいえ、ただ何もせずに立っているのは悪手でしかない。手持ち無沙汰だからといって、スマホでゲームなんてことは言語道断なわけだ。

小阪産病院の副院長・赤岩明先生は、出産立ち会い時の男性の役割について次のように話す。

「お産の主役は妊婦さん。夫は冷静なサポーターであることが大事です。もし当日わからないことがあれば、担当の助産師に自分はどんなことをすれば良いのか聞きましょう。『手を握っておく』『汗を拭いてあげる』など、意外と単純なことをお願いされるかもしれません。指示は妊娠経過や進行具合によってさまざまです。予習しすぎて自分勝手な行動や判断をすると、助産師さんに怒られるかもしれません。そして、アスリートを応援するような『がんばれ!』の連呼はNGです。赤ちゃんが生まれてくるまでは、サポーターが興奮してはいけません。無事出産が終わったら、感極まって泣いてもかまわないですから」。

ちなみに分娩室やLDR室(陣痛分娩室)は清潔空間なので、仕事後の汚れたスーツネクタイ姿は好ましくないそう。きちんとシャワーを浴び、洗い立ての服に着替えよう。分娩が長時間になる場合に備えて、洗顔タオルや洗面用具の準備もしておくと役立つそうだ。

また飲酒状態や睡眠薬・精神安定剤などを服用中の場合は、出産立ち会いを断られることもあるそうなので気をつけておきたい。気分転換の喫煙も匂いが嫌がられることもある。このときばかりは我慢だ。

そして何より、出産に関して夫婦はもちろん、助産師や看護師とも事前にしっかり話し合うことが大切だ。ほんの些細なミスコミュニケーションがきっかけで夫婦の仲に亀裂が走らないように、これからパパになるオトーチャンズは気をつけて!

村上広大(EditReal)=取材・文

 

[参考データ]
日本産科婦人科学会「日産婦誌56巻6号研修コーナー」

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