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2018.05.08

かぞく

月イチ面談で夫の心を丸裸に! 夫婦間「コーチング」が円満の理由


十人十色の夫婦関係 Vol.3
夫婦のカタチは人それぞれ。その数だけ、異なる幸せがある。たとえ一般的なスタイルと一線を画すものであっても、当人たちが納得していればそれでいいのだ。当連載では、ステレオタイプな「理想の家族」の型にはまらず、独自のスタイルを持つ夫婦を取材。異色ながらも円満な結婚生活を通じ、多様な幸せの在り方を探る。
>「十人十色の夫婦関係」をはじめから読む
今回お話を伺ったのは結婚7年目の二ノ宮夫妻。証券マンの夫・聡さん(32歳)、マザーズコーチ・夫婦コンサルタントの妻・麻莉子さん(旧姓:有宗)、2歳と3歳の子供の4人家族だ。二ノ宮夫妻はただの夫婦関係にあるだけでなく、やや特殊な関係性も持っている。なんでも、妻が夫を「コーチング」しているというのだ。いったいどういうことなのか?
大学のダンスサークルで知り合ったふたり。麻莉子さんのほうが先輩だ。「彼女は当時からアクティブで目立つ存在でした」と聡さん。

毎月1回30分、妻から夫へのコーチング

コーチングとは、対話によって相手の悩み、感情などを掘り下げ、当人も気づいていなかった課題や欲求、深層心理を可視化するスキルのことだ。基本的にビジネスシーンで用いられる。
二ノ宮家では毎月1回、妻による夫のコーチングが行われるという。
麻莉子さん「金曜の夜、子供が寝たあと30分くらいですね。テーマはそのときどきで夫が抱えている悩みや不安、目標などについて。その際は妻と夫ではなく、『コーチとクライアント』として接します」。
聡さん「あくまで僕はクライアントという体ですから、例えば『妻に対する不満』なんていうテーマでも遠慮なく話します。それを妻はコーチとして冷静に受け止める。以前は私が不満をもらすと妻は怒ったり泣いたりしてしまって、言いたいことを言い切る前に対話が止まってしまっていた。でも、今は最後まで思いを伝えられている。初めて妻からコーチングを受けたとき、すごくスッキリしたことを覚えています」。
“夫婦”として向き合うと棘のある会話でも、“聞き手・話し手”という役割、客観性を互いに与えることでストレスフリーになるという。実際、コーチングを始めてからは喧嘩も減ったそうだ。
麻莉子さん「私、もともとすっごく激しい女なんです(笑)。でも、コーチングによって相手の心の奥底にある真意をくみ取れるようになってからは、夫や母親など身近な人との喧嘩がなくなりました。コーチングでは言葉そのものではなく、その言葉を生み出している“根源”にアンテナを張る。そうすると、冷静に話を聞けるんです。相手のことをより理解できるし、自分の感情もコントロールできるようになりました」。
かつては「喧嘩してネギが飛んできたこともあります(笑)」と振り返る聡さん。コーチングを取り入れて以降、喧嘩は減少したそうだ。
“コーチ”としてクライアントの悩み、不安、課題の根源を可視化したあとは、“妻”として「夫のためにできること」を考える。感情を廃した掘り下げ作業と、感情のこもったサポート。それらをうまく切り分けることでより深い理解が生まれ、夫婦円満につながるという。
2016年5月から続けている家族会議。それとは別にコーチングの機会を設けている。


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