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2018.04.04

ライフ

森の国で育まれた優しいアートセンス 〜Swedish Talent 〜


ただくつろぐだけでも気持ち良い時間を過ごせ、サーフィンをした瞬間に人生は大きく変わってしまう。ひとつのシーンからそんな海の魅力を発見していくコラム。
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今回は「Swedish Talent」


幻想的なオーロラのもと、サーファーが波を待つ。およそジョナス・クレアッソンだから描ける作品。そう思えるのは、彼のルーツが北欧の国、スウェーデンにあるためだ。北部でオーロラが見られる同国はスカンジナビア半島の東側にある。国土の6割が森林で、1割が河川や湖。ゆえに首都ストックホルムから1時間ほどのドライブで、大自然と多くの野生動物に出合うことができる。また波はあるが内海であるため質に乏しい。
実際に初めてサーフィンにトライしたのは15歳。語学スクールで訪れたイギリスでの体験だった。このとき良い波に乗れたことがきっかけとなり夢中に。以来、波を求めて欧州中をめぐり、2002年にはオーストラリアへ移住した。「僕の作品は、サーフィンに加え、スウェーデンとオーストラリアの自然からヒントを得ている」。なかでも上の絵のようなオーロラやトナカイというモチーフの選択には母国の影響を見る。彼を唯一の存在たらしめている影響である。

1980年のバレンタインデーに、スウェーデンの首都、ストックホルム近郊で生まれる。現在は豪州シドニーの北、フレッシュウォーター在住。波に恵まれた地でサーフィンと作品制作の日々を送る。今年の2月にはグリーンルームギャラリー横浜での個展「キャンプ・ファイヤー・ストーリーズ」のために来日。個展を終えたあとは、パウダースノーを求めて北海道へ。常夏のホームを離れ、日本の冬の恵みを堪能して帰国の途についた。
森滝 進(MAKIURA OFFICE)=写真(人物) 小山内 隆=編集・文


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