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2018.02.24

たべる

寝る前にとっておきの一杯。安らぎカクテルを自作する男の悦び


WEB特集「男の癒し方」
ひとりの男として、あるいは、夫として、父として、37.5歳の悩みと疲れは募っていくばかり。そう、男には男ならではのストレスがあるもんだ。ふだんは、スマートに生きてるつもりでも、俺たちだって癒されたい! 疲れて鈍くなっていく感覚を呼び覚まし、カラダもココロもすっきりさせる“俺たちの癒しレシピ”をご覧あれ。
就寝前のひとときは、一日の疲労を癒す大事な時間。お気に入りの酒を傾け、存分にリラックスしたいもの。そんな場面でぜひ提案したいのが、就寝前に自作する「ナイトキャップ」。飲み過ぎることなく、体を温め、頭を休めてくれる寝酒としてのカクテルを指す。
そこで至高の一杯を求め、銀座のオーセンティックなバー、BAR FOUR SEASONSへ。全員が国内外のコンクールで実績を残している実力派のバーテンが揃う同店の中山翔吾さんに、寝酒にぴったりな「ナイトキャップ」レシピを教えてもらった。

バカラスタイルの代表的なカクテル「B&B」

「まず紹介したいのは『B&B』。本来は『プースカフェ』と呼ばれる、数種類のスピリッツやリキュールを、比重の大きい順に積み重ねて生まれた層を楽しみながら飲むカクテルですが、今回は、ご自宅で簡単に実践できるロックスタイルでご紹介しましょう」。

「ベースとなるお酒は、ブランデー『レミーマルタン VSOP』、ブランデーベースのリキュール『ベネディクティン DOM』。当店ではブランデー30ml:リキュール15ml、つまり2:1の比率で提供していますが、1:1の比率でも美味しく召し上がれます。これを大きめの氷を入れたグラスに注ぎます」。

「そして、マドラーで軽く混ぜるだけ。ブランデーとリキュールの層が残る程度にとどめるのがポイント。これによりお酒の重層感を楽しめて、リッチな気分を味わえます」。

さて、完成した『B&B』がこちら。
ブランデーの濃厚なフルーティーさとリキュールのハーバルな甘みが絶妙に溶け合い、スッキリとした後味を演出している。カクテルにありがちな、ノドに絡みつく“酒灼け感”が薄いわりに、芳醇な味わいを楽しむことができる。ベッドサイドでホッとひと息つく、そんなシーンにピッタリだ。
 

心も体も温まるカクテル「ホットバタードラムカウ」

「続いては、バターとホットミルクを用いたお手軽カクテル『ホットバタードラムカウ』。冬の寒い時季、ナイト・キャップとして呑んでいただきたい一杯です。お酒は甘めのダークラムがいいですね。必要な食材は、牛乳とバター、それとザラメ糖(角砂糖でも可)。今回は、ラム酒『パンペロ アニバルサリオ』を使用します」。

「ザラメ糖をグラスの底に入れ、ホットミルクを注ぎます。一般的なグラスだと危険ですので、耐熱グラスを使用してください」。

「牛乳はグラスに対して7割くらいの量でストップ。そこに、お好みの量のラム酒を注ぎます」。

「最後にバターを沈め、軽く混ぜると完成。ミルクが苦手な方は、牛乳ではなくお湯を使っていただいても美味しく召し上がれますよ」。

完成した『ホットバタードラムカウ』がこちら。
ラム酒ならではの甘みとバターの濃厚な味わいが合わさった、飲みやすいカクテル。ラム酒のアルコールが牛乳でまろやかになり、アルコールが苦手な人でも甘いホットミルク感覚で楽しめる。シナモンやクローブを使用してもいいそう。奥さんのご機嫌も取れそうな一品。上記の2種が、自宅でも簡単にチャレンジできる、とっておきレシピだ。
 
オッサンのカラダをいたわるカクテル「ナイトキャップ」
最後に紹介するのが、シェイカー技術を存分に駆使したカクテル、その名も「ナイトキャップ」。上記のお手軽レシピで飽き足らない人は、ぜひ挑戦してほしい。

ブランデー「レミーマルタン VSOP」をベースに、オレンジが香るホワイトキュラソー「コアントロー」と、代用のハーブ酒「グヨ クリスタル キュンメル」を用意(本来はキュンメルは使用せず、アニスで香りをつけたリキュール「マリーブリザーブ アニゼット」を使用するそう)。
「ブランデーとリキュール2種の割合は1:1:1。これに全卵(1個分)を加えます。そして、シェイクしていきます」。

 
シェイクする際は、穏やかな表情から一変。関東ジュニアカクテルコンペティション優勝を飾ったプロの技である。

「全卵が入っているので、長めにシェイクします(約15秒が目安)。最後に網を通して、溶けきらない卵の白身を除いてあげましょう」。

「最後にシナモンパウダーかナツメグをふりかけたら、出来上がり」。

『B&B』や『ホットバタードラムカウ』に比べると、芳醇な味わいが強い。しかし、卵黄のまろやかさのおかげか、後味はスッキリとして、ひと口飲めば心が安らぐ。卵の栄養も手伝い、疲労回復の効果も期待できそうだ。ほかのカクテルと比べて作り方が若干難しいが、「もし自宅にカクテルシェイカーがないなら、プロテインシェイカーでもいい」と中山さん。一度試して見るのも面白いだろう。
今回紹介したカクテルのほかにも、『アイリッシュコーヒー』や『エッグノッグ』といった、少し手間のかかるレシピもある。ナイトキャップ作りに精を出してベロベロに……なんてことは本末転倒だが、ぜひとも就寝前の安らぎタイムを、極上の一杯とともに過ごしていただきたい。
【取材協力】
BAR FOUR SEASONS
住所:東京都中央区銀座4-3-12 伊藤ビル4F
営業時間:平日18:00〜26:00/土曜 18:00〜24:00
定休日:日曜・祝日
http://bar-fourseasons.jp

取材・文=中澤範龍・石川優太(EditReal)
 


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