インテリアの印象を大きく左右するにもかかわらず、意外と自分好みのものが見つからないのが、収納家具。壁の面積が限られる日本の住宅はとくに、サイズ面でもデザイン面でも、ジャストフィットするものを探すのがなかなか難しく、消去法での選択を迫られることがほとんどだ。
でも、諦めるのはまだ早い。そう、理想の収納が無いのなら、自分で作ればいいのだ。
とことん“自分好み”を追求できるうえに、フルオーダー家具よりはるかにリーズナブルなDIY収納。その作り方のコツを、6年以上続く本誌の住宅連載「OH! 家事情」にも登場してもらった、今井亮さんに聞いた。
使いやすさなら断然オープン棚!
家を建てるにあたって、コンクリートの箱だけをつくってもらい、内装のほとんどを自作した今井亮さん。壁に取り付けられた数々の棚も、すべて今井さん自身のDIYによるものだ。
「多用途に使える収納って僕には使いにくいんです。使いたいものが、使う場所のそばで、取り出しやすい形で置かれていることが僕にとってのジャストな収納」。そう言う今井さんが教えてくれる、合理的な収納づくりのコツとはどんなものなのか?
「使いやすいことが大前提なので、扉や戸を取り付けていません」。確かに今井邸では食器棚も、レコードラックも、すべてむき出し。そのほうが作るのが簡単というメリットもある。
棚板の素材選びが部屋の雰囲気を決める!
大きなポイントとしてこだわったのは棚板の素材選びだという。「うちの場合は、ダイニングテーブルの素材に合わせてホワイトオークで統一。それだけで雰囲気が一気にまとまるんです」。今井さんは、数年前に購入したトラックファニチャーのホワイトオークのダイニングテーブルに合わせて、棚板はすべてホワイトオークで統一。
香川県のマルトクという材木業者のネットショップで購入した。「この樹種は23㎜の厚さがいちばんコスパが良く、強度も得られる。多用してますよ」と、自らの経験値から得たノウハウも伝授してくれた。
置くものが変わるなら可変レールを使うべし!
ランドリールームには、棚の高さを変えられるレールを取り付け。今はタオルなどを置いているが、今後のことも考え可変式にして、いつでもジャストになるように工夫している。
パーツを組み合わせてカスタマイズ!
玄関スペースには掃除道具をまとめるオーガナイザーを装着。置きたいモノが決まっていたので、ホルダーやフックの数をカスタムできるドイツ製のBRUNSを選択した。
収納作りに使いたい、おすすめアイテムはコレだ!