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2018.01.20

ライフ

本当は教えたくない、目利きが通うインテリアの名店とその部屋とは?

「自分の部屋をもっといい感じにしたい!」と思ったら、いい感じの部屋に住んでいる人を参考にするのがいちばん。
そこで、「引っ越して約1年」という3名の自宅にお邪魔し、部屋づくりのテーマやそのために選んだインテリア、そしてそれを買った店について教えてもらった。
目利きたちによる、リアルで身近な“生の声”。引っ越しを考えている人もそうでない人も、お見逃しなきよう。

2016年12月にお引っ越し! 渡邊雅義さん(44歳)の場合

え、いきなり外国の家…!? いえ、ここは日本なんです


カジュアルブランド、ジャクソンマティスを主宰する渡邊さんの新居は、アメリカ西海岸カルチャーに通ずるリラックス感が漂う。アメリカのガソリンスタンドをイメージしたオフィス建物の奥に住居棟が併設されており、それをつなぐ芝生の庭が気持ちいい。
でっかい木製の玄関ドアはイギリスのアンティークもの。

部屋の中まで欧米かっ! 参考にしたのはあのホテル


ベニスビーチで泊まったザ ローズホテルを参考に、木や塗装の種類を検討したという渡邊さんの部屋。白とグレー、ウッドによる配色は、大人らしい絶妙の安定感がある。「リビングで最初に選んだ」というコンランショップのソファと埋め込み式の薪ストーブを中心に、ヴィンテージの照明や小物の数々が空間にアクセントを加えている。
キッチンはオーダーメイドで、ステンレスのカウンタートップと木、グレイッシュなタイルを組み合わせた。

部屋を“いかにも”に見せないための古着屋巡り

階段を上った先にあるランプもヴィンテージ。
リビングだけでなく、家のいたるところに散りばめられたヴィンテージアイテム群。これらを見つけるのに渡邊さんがチェックしたのは、家具屋ではなく古着屋なんだとか。
渡邊さんによれば「通ったのは吉祥寺のガーニッシュや高円寺のロスコ。気になるモノに目をつけて、間取りが決まったら一気に買い漁りました。家具屋だと、インテリアとして“価値のあるもの”しか見つからないじゃないですか。何これ!?ってモノがあったほうが、部屋が“いかにも”にならないと思って」とのこと。
確かに、ここは渡邊さんにしか作れないアメリカンハウスに仕上がっている。

渡邊さんが行った店

ガーニッシュ
古着をメインに置いた1階。そのレジ奥にある階段を上ると、キャビネットやソファといったヴィンテージ家具が現れる。1カ月に1回行くという買い付けはアメリカのフリーマーケットが中心。1960~’70年代の雰囲気たっぷりな無名の家具たちは個性的で、ほかでは見つからないものばかり。
東京都武蔵野市吉祥寺本町4-1-2
0422-21-2707
www.the-garnish.com
 

2017年8月にお引っ越し! 清水健吾さん(38歳)の場合

部屋の共通項は“ヴィンテージ”であることのみ


築37年のマンションをリノベーションして待望のマイホームを手に入れた清水さん。「古い物が持つ味わいが好きなんです。クルマもバイクもオーディオも全部ヴィンテージ。家もその延長で」。ゆえにリビングに置いたインテリアも、ほとんどヴィンテージ。時代もテイストもバラバラなものが並ぶ。

多国籍インテリアは“色”で統一感を


フィンランドの巨匠、アルヴァ・アアルトが手がけたダイニングセットに合わせたのはペルシャ絨毯。リビングの主役は、言わずと知れたハンス・J・ウェグナーのデンマーク製デイベッドだが、その背後にセットされた縦型マガジンラックは、渋谷のアーケストラで買ったという’60年代のアメリカ製。
その多国籍ぶりを「見た目良ければすべて良し」と笑う清水さんだが、色みには気を配ったそう。確かに、ベージュの空間に茶色の家具とトーンを合わせることで統一感を持たせている。
アーケストラで手に入れたマガジンラックは大人専用。清水さんの趣味の本が並ぶ。
子供部屋の本棚も色みを統一。

ヴィンテージ主義ゆえの、うれしい効能とは?

一見ヴィンテージ風のトイボックスは、無印良品の木の箱にキャスターを付けたもの。
「怪獣みたいな2人の子供がいるのでピカピカな家だと汚れも気になる。傷も味だと思えるヴィンテージのほうが楽なんです」と、子育て世代ならではの実用ポイントを挙げた清水さん。子供の成長とともに、部屋も味わいを増していくことだろう。

清水さんが行った店

アーケストラ
骨太なアメリカンヴィンテージを扱う店。家具だけでなく、雑貨やパーツ類といった空間演出に使える小物のセレクトもセンス良し。同時にオリジナルプロダクトの製作も行っており、ここへ来れば大抵のインテリアを揃えられる。
東京都渋谷区上原1-7-20
03-5452-8770
www.arkestra.co.jp
 

2017年9月にお引っ越し! 種市 暁さん(45歳)の場合

家具が必要最低限なのは、“アレ”を引き立てるため


シンプルなのにいつもキマっている“種カジ”でお馴染みの種市さん。その新居もやっぱりシンプルなのに、とてもいい感じ。いわく「ゴチャゴチャした部屋は好みじゃないので、あまりインテリアは置かないんです。窓から見える景色の邪魔もしたくないですし。外に見える桜がいちばんのインテリア」とのこと。なお、背が低くて長いソファは「ヨガマットを重ねただけ」というもの。この力の抜け加減が絶妙なんだよな。

数が少ないぶん、キャッチーな存在感のものを

ネットで購入した木製トランクを机代わりに。
ミニマムな種市さんの部屋だが、よく見ればフィリップ・スタルクの小人スツール「ニョメス」やカイ・ボイスンの「モンキー」など、気になるものがちらほら。「少ないぶん、インパクトあるものを選んでます。デスク代わりに買った木製トランクや、キッチンでそのまま食事できるように選んだジャスパー・モリソンのバースツールもそう。これは定期的にチェックするインテリアショップ、ビルディングでひと目惚れしました」。
階段脇に置かれていた、フィリップ・スタルクによる人気作「ニョメス」。
新居のオープンキッチンに合わせて手に入れたジャスパー・モリソンの「ハル チューブ」。色がシブい!
北欧生まれの“クマ”はベッド脇のサイドテーブル。

種市さんが行った店

ビルディング
メインはオーダー家具店。でも注目は、北欧からアメリカ、イタリアのメンフィス系まで、ボーダレスに見つかるミントコンディションのヴィンテージ。ときには博物館級のモノも並ぶので、物欲を抑えるのが大変なショップだ。
東京都港区白金3-11-10
03-6447-7748
www.building-td.com
 


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