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2017.12.06

あそぶ

世界一美しいと言われる「グレート・オーシャン・ロード」を知っているか?

東京から南へ約8200km。オーストラリア南東部に位置する都市、メルボルン。美しい建造物が立ち並ぶ都市部と圧倒的なスケールの大自然、それらがもたらす美味しいワインにゴハン。魅力を挙げればキリがないこの街は、“世界で最も住みやすい都市”とも称される。そんな旅先を知らずにいるのはもったいない。ということで見てきた南半球の楽園=メルボルンのリアル。
 
広大なオーストラリアの南東部に位置するビクトリア州は、面積でいえば大陸全体のわずか3%。その小さな州の州都がメルボルンだ。とはいえこの街は、「世界で最も住みやすい都市」(英国・エコノミスト誌)に7年連続で選出されるなど高い評価を受けている。その魅力とは何か?
 

メロウな都市への旅で得る、“憧れの暮らし”のヒント

潮と風によって削られ、独特の形状となった奇岩群「12人の使徒」。それぞれが45mもの高さで、荘厳な佇まいを魅せている。現在も年間2㎝ほどの侵食が続いており、2005年に貴重な1本が崩れてしまった。“世界一美しい海岸道路”と呼ばれる国道B100号線を走っていくと見られる絶景だ。
1870年にオープンしたメルボルン最古のアーケード街「ロイヤル・アーケード」。ビクトリア様式のモダンなドーム状の天井からは、心地良い光が差し込む。
碁盤の目状の中心部は、1837年から始まった都市計画で開発され、東西2.4km×南北1.6kmというコンパクトな面積に街のあらゆる機能が凝縮されている。
近代的な高層ビルと、古き佳きヨーロッパ建築がミックスしたユニークな街並み。

移民大国ならではの異文化がブレンドされた街並みには、近代的な建築と歴史建造物が混在していて、世界のどの都市にも似ていない。
街のいたるところで見かけるストリートミュージシャンのアコースティックサウンドが心地良い。
また、人は多くても忙しなさはまるでなく、常にメロウなムード。
東京23区の10分の1程度という人口密度もその要因かもしれないが、大きな理由のひとつは、クルマで2時間圏内に、“世界一美しい”といわれる海岸線や雄大な自然が広がる絶好のロケーションにあるようだ。

メルボルンから“世界一美しい海岸道路”といわれる「グレート・オーシャン・ロード」を通っていくと、迫力満点の断崖絶壁が続く大自然に出会える。

メルボルンライフにサーフィンは欠かせない。都市部からクルマで1時間半程度のベルズビーチでは、世界プロサーフィン連盟・WSLのワールドツアーも行われる。
聞けば、週末は海岸沿いのホリデーハウスで過ごす人も多く、働き盛りのOC世代でも週休3日を実践している人も少なくない。都市でありながらカントリーサイドを満喫する。メルボルンでは、そんなライフスタイルが身近なのだ。
「グレート・オーシャン・ロード」でクルマを止めると野生のコアラを見かけることもしばしば。
“コッキー”の通称で親しまれている黄色いトサカを持ったオウム。人懐っこく、観光客を見ると近づいてくる。
南国のリゾートや世界の名立たる中枢都市では味わえない、都市と自然が共存した心地良さ。まさにワンアンドオンリーな街が当たり前に持つ、肩肘張らないメロウな日常。
そこには、我々が思い描く憧れのライフスタイルのヒントがある。ひと口で言うならば、“いつだって心地良くいられる街”と表現できるかもしれない。
清水健吾=写真 長谷川茂雄=取材・文


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