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2017.11.26

ライフ

予算5000万円で資産価値が落ちにくいマンションを選ぶには?


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不動産の噂の真相Vol.7
オーシャンズ世代にとって“避けては通れない未来”のひとつに、「住まいをどうするのか」というテーマがある。結婚し、子どもが生まれ、やがて巣立っていく――そんな人生の物語をつむぐ舞台=住まいについて、実は私たちはそこまで深い知識を持っていない。なんとなく周りの意見やメディアの見出しやウワサ話に踊らされてはいないだろうか。この連載では、元SUUMO新築マンション編集長が、世の中に出回っている“不動産のウワサ”について徹底検証。信じるも信じないも、あなた次第です。

資産価値の高いマンションは、買うときの価格も高いのが通例

住宅の資産価値の9割は「立地」で決まると言っても過言ではない。立地の評価は、ざっくり言えば、都心部に近いほど高くなるため、資産価値重視ならできるだけ都心立地に選ぶのが定石となる。ただし、資産価値が高い=高く売れる=買うときも高い、のが必然である。東京の新築マンションでいえば、人気の高い住宅地を抱える港区、千代田区、渋谷区などでは、70㎡・3LDKの一般的なファミリータイプであっても億は下らない価格相場になる。
億を払える経済力があればいいが、そこまでの金額をマイホームに払える人はかなり少数派だろう。オーシャンズ世代(40歳前後)ならば、年収は600万円~1000万円に収まる人が多数を占めるはずだ。この場合、親などから資金援助がなければ、マイホームの予算は5000万円程度が目安になる。では、予算5000万円で資産価値の高い家を選べないのだろうか。実は、あるポイントを押さえれば、都心部と同等とはいかないまでも、将来も価値が落ちにくい家を選ぶことは不可能ではない。
具体的なポイントに入る前に、住宅の価格相場の基本原理を押さえておこう。一般に住宅価格は、㎡単価×専有面積の計算式ではじき出される。㎡単価とは、文字通り「1㎡あたり価格」のことだ。そして資産価値は、この㎡単価で評価されることが一般的だ。たとえば、㎡単価70万円×70㎡の4900万円の住戸と、㎡単価60万円×100㎡の6000万円の住戸があった場合、価格は後者のほうが高いが、資産価値は㎡単価が高い前者のほうが優位と評価される。そして地域ごとに㎡単価の相場があり、当然ながら人気が高く資産価値も期待できるエリアほど、㎡単価が高く維持されやすい傾向があるのだ。
この原理から、限られた予算で資産価値優位な家を買う第一のポイントは、「㎡単価の高い人気エリアで、広さを譲ってグロス価格を抑える」ことだ。前述の㎡単価70万円×70㎡から、広さを62㎡で我慢すれば、㎡単価80万円のエリアでも予算5000万円に収まり、㎡単価が高い=より人気があるエリアを選ぶことで相対的に資産価値も落ちにくくなるわけだ。「せっかくマイホームを買うのだから、できるだけ広い家がいい」という人もいるだろうが、資産価値を物差しにすると、「広さ」はあまり意味をなさない。だから資産価値を重視するなら、広さは可能な限り抑えて立地最優先で選ぶことが正解となる。


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