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2017.11.05

ライフ

千年後にある、海と空の景色 〜My One Thousand Years〜


ただくつろぐだけでも気持ち良い時間を過ごせ、サーフィンをした瞬間に人生は大きく変わってしまう。ひとつのシーンからそんな海の魅力を発見していくコラム 。
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今回は「My One Thousand Years」


その絵は千年後に広がる景色。千年後から過去としての今に遡り、アーティスト山崎美弥子は絵を描く。モチーフは海と空のみ。
今秋、15年ぶりとなった東京での個展では主にピンク色の風景画が飾られたが、青い海とピンクの空による作品があれば、黄色い海と青い空による作品もある。海や空は刻々と表情を変えるもの。自宅から見える一片の光景なのだろう。色鮮やかな絵画からは、居住するハワイ・モロカイ島の環境の良さや、千年後に広がっているという、美しい世界が伝わってくる。
興味深いのは、東京出身であることだ。現代アーティストとして成功を収め、バブル時代には浮かれた都会の夜も経験。半面、都会のリズムに疑問を感じていた。そうして自然とともに生きることを選んだが、10年以上が経ち、ギャラリーから招聘される形で東京へ。表現者は時代のカナリア。自然と寄り添う暮らし、人本来のリズムで生きる暮らしが、今の都会では求められているのだ。
1969年、東京都生まれ。多摩美術大学絵画科卒業。床を花で敷き詰めるアートプロジェクト「スプレンダー(Splendor)」を筆頭に、平面作品、映像、およびインスタレーションを国内外のギャラリーや美術館で発表してきた。2004年から太平洋で船上生活を始め、現在はモロカイ島で心理学者の夫とふたりの娘、2頭の馬と暮らしながら主に絵画作品を制作。「海と空の絵」や「花の絵」を描く。公式インスタグラム:@miyakoyamazaki
 
森滝 進(MAKIURA OFFICE)=写真 小山内 隆=文・写真セレクト
撮影協力/CIAO PANIC COUNTRY MALL


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