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不動産投資信託「REIT」で、信用取引を成功させた運用術

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同世代で資産運用をうまくやっているヤツはどんなことをしているのか……。30代後半、会社員のSさんは30歳で結婚したとき、結婚資金を使い果たして資産はまさにゼロ。ところが、ここから10年足らずで金融資産は3000万円超。東京の人気エリアに立つ7000万円台の高級マンションも購入という、なんとも、うらやましい状態にいます。Sさんに一体、何が起きたのか。全6回にわたってお届けする、Sさんが「こっそりうまくやっている」マネー運用術、第5回は不動産投資信託「REIT」です。

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リスク高いと思い込んでいた「REIT」を徹底的に調べてみたところ…

会社員Sさん「最初は不動産投資には、あまり積極的ではなかったんです」

マンションを購入後、不動産投資に関心が向き、いろいろ調べていったというSさん。そこで出会ったのが、不動産投資信託「REIT」でした。

「リーマンショックのあと、破たんしたREITがあったので、けっこうリスクが高いんだな、と勝手に思い込んでいたんです。ただ、端的に言えば日経平均みたいなインデックス(指標)と似ているんですよね。最高2800ポイントくらいまで行っていたのが、一瞬1200くらいまで落ちてしまった。でも、気づいたのは、利回りが当時5、6%だったことなんです」

たしかに値動きはある。しかし、利回りが5、6%というのは魅力だったと言います。要するにかつての電力株のように、売らずに安定的に持っておけば、魅力的な配当が手に入る、ということです。

「だから、それなりにお金がある人が、老後資金の運用に回したりするなら、とてもいいと思ったんですよね。このとき、不動産投資法人について徹底的に調べたんですが、やっぱり比較的安全な投資先なんですよ。だって、東京の超一流のオフィスビルを何百部屋も持っていたりするわけです。家賃が急に半分になったりすることはないし、オフィスを借りている会社のすべてがいきなり東京から出て行くなんてことは考えられないわけです」

REITを狼狽売りしていたのは、よくわかっていない人たちだった

REITが大きく値を下げた理由も、調べてみると見えてきたといいます。売っていたのは、どうやら”REITをよくわかっていなかった人”だったのはないか、と。

「外国人とかが多いわけです。あとは、地方銀行が運用先があまりないからたくさん買っていたりする。ところが、日本や東京のことがよくわかっていない人たちなのか、震災のときもそうだったんですが、何かあると狼狽売りしちゃうんですよ。なんだ、それで落ちていたのか、ということに気が付いて。実際、震災が起きても一流のオフィスビルはまったく傷ついたりしていなかった。だから、家賃もその後、するすると上がっていったんですよね」

不動産投資といっても、REITは直接の物件をやりとりするわけではありません。しかも、大量の不動産物件を持っている不動産投資法人が運用してくれていて、その利回りをもらえるのが、REITなのです。

「ちょうど値も下げていたし、これは行けると思ったわけです。ただ、老後資金じゃないし、普通に安定投資しても面白くないなぁと思いました。そこで、初めて信用取引に手を出したんです」

信用取引とは、持っている資金にレバレッジをかけて、金額以上の取引ができる証券取引の仕組みです。

「借金して株を買うときの信用取引の金利って、当時3%だったんです。それでETF(上場投資信託)というREIT全体を薄く広く買う投資信託の金利が5〜6%でした。言ってみれば、3%で借金したのに、5%の利息がついてきてくれるということです。これ、スプレッドっていうんですが、面白いなぁと」

こんなフリーランチがあるなんて、経済的にはおかしい。でも、タイミングが良ければあり得る

会社員Sさん「不動産は不動産で、株とは違った面白みがあるんです」

しかも信用取引で3倍くらい手元のお金が膨らんでいました。少ない元手で、大きなリターンが得られるということ。Sさんは、これは絶対におかしいと思ったそうです。

「こんなフリーランチ(タダ飯)が、経済的にあるというのはおかしい。だからまた徹底的に勉強したんです。なんでこんなことになるのか、と」

しかし、現実にそれはできることでした。そして実際に、投資した200万円は2倍になって返ってきました。

「ちょうどREITがピーク時の3分の1くらいに落ちていたときでしたから、買い時だったんですよね。それは、ずっと読み続けていた株ブログでも教えてもらえて。1000ポイントくらいで買ったのかな。それで、1500ポイントくらいで売りました。タイミングも良かった。でも、不動産のオフィス賃料が暴落しない限り、利回りは入り続けますから、債権と株の中間くらいの性格がある。だから、倍も儲かれば十分かと」

REITはすでに利回りが3%程度になっていますので、スプレッドでより儲ける、ということはちょっと難しくなっている、とSさん。ただ、長期の運用法としてはとても手堅いのではないか、と語ります。

「不動産の暴落の話をよくする人がいますけど、もとより不動産は相対取引なんです。買う人がいないと成立しない。だから、投げ売りって、そうそうできないんです。不動産取引なんて怖そうだ、という人も少なくないんですが、決してそんなことはない。むしろ、不動産は不動産で面白いですよ」

ただし、自分でしっかり勉強すること、とSさん。やっぱりここでも濡れ手で粟、はありません。市場の動向を見極めて、取り組む必要があるのです。

※実際の取材をもとに構成しておりますが、あくまでSさん個人の資産運用の考え方であり、本文中の利回りや収益を保証するものではありません。ご了承ください。

取材・文/上阪 徹
1966年、兵庫県生まれ。アパレルメーカーのワールド、リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスに。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がける。著書に『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』(あさ出版)、『僕がグーグルで成長できた理由』(日本経済新聞出版)、『職業、ブックライター。』(講談社)、『成功者3000人の言葉』(飛鳥新社)、『リブセンス』(日経BP)など。

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