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2017.03.28

ライフ

「遊ばないよね〜最近の若い子は」は “感覚老け”を宣伝しちゃってます……!


「最近の若い子は……」シリーズは昔からおじさんたちの放送禁止用語とよく知られているもの。その“最新版”をこの度私なりにズバッといかせていただきたいのだ。
「37.5歳的 放送禁止用語」を最初から読む
「最近の若いもんは気合が足りない」とか「最近の若い世代は甘やかされてる」とか、「これだからゆとりは……」「敬語がそもそもなってないんだ若い奴らは」なんて言ってないから大丈夫、と安心することなかれ。
私が今回放送禁止用語に制定したい、「最近の若い子は!シリーズ2017版」は こちら。
『遊ばないよね〜最近の若い子は』
である。

どうでしょう? このバージョンは言ったことのある遊び上手なオーシャンズ世代、いたりしませんか?
その“遊び”が全ててじゃない! のです……!
これは実に心苦しい、その気持ちもわかるのですが…… という放送禁止用語だと思う。
オーシャンズ読者には生粋のサーファーや、キャンプやドライブなど外遊び上手な大人が多かったりもするし、昔、それこそ若い頃そんなカルチャーにどっぷりだったという方も多いはず。
それは本当に素敵だしオーシャンズ世代がそんな週末の過ごし方をどんどん提唱して、まだまだ現役でガンガン引っ張っていってほしいなと正直個人的には思っている。
だが、しかし。
このひと言に関してはまた話が別である。
このひと言を言ってしまうとそれは「もう僕には新しい“遊び”の定義が理解できませんよ」と大手を振って宣伝しまくっちゃっているのと同じことなのである。
つまり、“遊ぶ”ということの概念が年下世代では大きく変わってきているというその感覚の変化についていけていないのだ。
自分たちの、海や山に出かけたり、夜な夜な街に繰り出したり、お金を使って旅行に行ったり、高級な大人買いをしたり……など“遊び”と認める幅が狭い、かつ固定されてしまっているのだ。
家でネットサーフィン、2chにどっぷり、男女問わずカフェ巡り、家飲み、そういったものを“遊び”と思えない人がこの放送禁止用語を発している気がする。
ここでいう“遊ぶ”とはつまり仕事のない日に、熱中できたり、日々を豊かにする余暇活動のこと。
時代とともにその活動にいろいろな種類のさまざまな感覚のものが登場しても、それが自然であるしそうじゃないとちょっと逆におかしいと思うのだ。
それは遊びの感覚が変わっていっているというより、その認識がどんどん拡大して余暇の選択肢がバラエティ化している喜ばしいことなのだ。
感覚が若返る……とまではいかずとも 拡大するのを楽しんで!
部下が「俺、休日は家で海外ドラマ見ながらアイス食うのが至福で〜たまに気になるコーヒー屋行ったりですかね」と言っていても、その活動で彼の日々が少しでも豊かなものになるのなら、本人が至福と感じているのならそれは十分に“遊んでいる”のである。
そんなときは「そんな遊び方もあるのか、なるほど」と、自身の中の遊び定義が拡大されていく感覚を存分に味わって「最近の子は遊ばないよなぁ〜」のひと言はごくんと飲み込み、朝一の最高な波に流していただけたら……! と心から願う。
 
文:岡野ぴんこ
N35inc.に所属するテレビ・ラジオの構成を手掛ける放送作家。
担当番組に、ZIP!(NTV系列)、another sky(NTV)、SENSORS(NTV)、マッチングラブ(TBS)などがある。
ファッション、ライフスタイル、レストランカフェ、旅、アウトドア、DIY・・・など興味は多岐に渡り感度絶好調のアンテナを持つ。女性がときめく情報、ビジュアル、瞬間は逃さず受信。自らのスタイル、文章、写真、映像、様々な表現で発信している。
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