2020.11.21
LEISURE

40代ランナーが実践する、ケガ&痛みを未然に防ぐテクニック

竹谷浩

「Running Up-Date」とは……

数年前に移住した葉山の自然に惚れ込み、在宅ワークで海と山が徒歩圏内にある環境を満喫。気分転換に近所の坂道を走ったり、声がかかれば裏山でトレイルランをしたりと、竹谷浩さんはとにかくフットワークが軽い。

「楽しそうなお誘いにはいつでも飛び込めるよう、ランニングを通じて体力をキープしています」というからさすがだ。

一方で、40代も半ばを迎えて筋肉の“質”が変化してきたことを実感し、気を付けていることがあるという。

予防のためのテーピングで、半自動的に「常時筋膜リリース」

前編でもお話ししましたが、学生時代にアメフトをしていた関係でハムストリングスに肉離れグセがあって。そのうえ、ここ数年は以前よりも筋肉が硬くなってきた気がします。だから走りすぎて疲労が残っていたり、筋肉に少しでも違和感があるときは、ケガ予防のためにテーピングをしています。故障で走れなくなることだけは避けたいですから」。

竹谷さんが使っているのは自社製品でもあるニューハレAKTテープ。テーピングというと捻挫をしたときなどにガッチリ固定するモノを想像する人が多いかもしれない。ニューハレでもそうした「伸びない」テーピングを扱っているが、このテーピングは伸縮率60%と「程良く伸びる」のが特徴だ。

関節まわりの皮膚の伸縮率50%よりもやや高めの伸縮率のテープを気になる筋肉に沿って貼ることで、常に皮膚(とその下にある筋膜)を“引っ張って、緩める”という狙いがある。要は、最近よく耳にするようになった“筋膜リリース”と同じ効果が期待できるわけだ。

竹谷浩

蛇足ながらご説明させていただくと、筋膜とは皮膚と筋肉の間にある膜で、全身の筋肉をウエットスーツのようにつつんでいる。

筋肉を動かすときにこの筋膜も連動して動くのだが、癒着しやすいという性質があるため、筋膜を緩めておかないとその下にある筋肉も突っ張ってしまう。すると柔軟性が損なわれ、痛みや故障の原因になる。

肩こりや腰のハリなども患部の筋肉をほぐすだけでは不十分で、むしろ筋膜リリース(はがす、ゆるめる)がポイントとも言われているのだ。

「硬くなりがちな部位や違和感のあるところに貼るんです。その部位をあらかじめ緩めてくれるので、柔軟性のある筋膜、筋肉を維持でき、肉離れを防げます。ケガだけでなく、筋肉のハリやつりの予防にもなります。

もともと医療現場で使われていたテープをスポーツ用に転用したものなので、素材やのりの感触が柔らかく、自然な使用感なんです。立ち仕事で疲労が残っているときなど、とにかく少しでも怪しいなと感じたときに貼っています」。

あらかじめ使いやすいサイズに切り分けられたプレカットのテープも用意され、トレイルランのアスリートで愛用する人も多い。一般ランナーでもなんだか使えそうじゃない?

竹谷浩
カラーセラピストが選んださまざまなカラーバリエーションも特徴で、白じゃないところがイイ。ロールで買って好きな長さに切って使える「ニューハレAKTテープ」(5m)900円、プレカット済みの「Iテープ」(6枚入り)980円/ともにニューハレ  www.new-hale.com
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アメフト経験者の“デカもも”くんが選んだスレないショーツ

「身につけるウェアやギアは基本的にアウトドアメーカーのものが中心です。年齢のせいか物欲がなくなってきたのですが(笑)。

例えば今日着ているアンサー4は『100マイル(160km)レースを走るため』という具合に、アウトドアメーカーのものには目的や使用用途にフォーカスした、本質的な価値のあるモノが多いので」。

竹谷浩
トップスとサングラスはアンサー4、キャップとTシャツはパタゴニア。ショーツはティーエイト。時計はスントで、ソックスはドライマックスとトレイルラン関係のアイテムを愛用。

アンサー4の「パワーグリッドフーディ」は、走るときはよく通気する一方、立ち止まるとしっかり保温してくれるポーラーテック社のパワーグリッドフリースを採用。さらにランニング用としては珍しく、上からも下からもオープンできるWジップ仕様になっており、ベンチレーション機能を高めることができる。

「子供と登山するときなんかにも羽織っています。あとはパタゴニアのウェアも好き。モデルチェンジが少ないから長く着続けられるのがイイですね」。

シューズはトレイルラン向けで、信越五岳トレイルランニングレース110kmを完走したときにも履いていた愛着のあるモデル。

「ナイキならではのクッション性が特徴で、自分の足幅にもよく合っています。トレイルだけでなくロードも問題なく走れるので、これ一足でいろんな路面に対応してくれます。アスファルトの舗装路ばかりでない葉山を走るのには向いていると思います」。

竹谷浩
愛用のテーピングは、ふくらはぎの筋肉に沿ってこのような感じで貼る。シューズはナイキの「エア ズーム ワイルドホース5」。

アメフトをやっていたため、太もも周りがガッチリしており「長距離ランで股ずれができるのが悩みだった」という竹谷さん。でも、このショーツを見つけてからはその不快感から解消されたそう。

竹谷浩

「最近日本に入ってきたティーエイトという香港のブランドで、高温多湿のフィールドで頻発しがちな皮膚のトラブルを防いでくれるアイテムです。

薄くてすべりのいい化繊生地がとにかく快適。下着のボクサーブリーフと合わせていて、両方とも汗抜けがバツグンで、変なこすれ方をしない。愛用するようになってからまだ一回も股ズレしていません」。

小物選びもアウトドア周りのギアが中心だ。時計はスントのハイエンドモデルである「スント9」を愛用している。

竹谷浩

「これも110kmのレースに挑戦したときからの相棒で、GPSでの高精度の計測が長時間連続して使えるのが特徴。

走行時間や距離、ルートなどのログを溜めていて、それが楽しみのひとつだったりもするので、うっかり充電を切らしたときにはトレーニングを辞めてしまうこともあります(笑)」。

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走ったあとはセルフマッサージグッズで体をケア

ひとりで走るだけでなく、水曜日の朝6時に集まって仲間と一緒にトレイルを走る“朝活”も大事なルーティンのひとつ。

竹谷浩

「仙元山トレイルクラブと称して、地元の仲間と1時間ほど葉山のトレイルを走っています。季節の移ろいや自然の変化を感じられるのが醍醐味で、地元の友達が待っているというだけで朝ちゃんと起きれるから不思議です。

今は日の出が遅いので走り始めはヘッドライトがいりますが、レースで使うような大きなものだとトゥーマッチ。このマイルストーンのMSG2は、わずか28gながら最大400ルーメンの明るさがあります。USBで気軽に充電できるので、日常的に使うライトとしては最適」。

自社製品のテーピングのほかにスポーツアイテムの輸入も行なっており、そのうちリアルに愛用しているもののひとつがアメリカ発のセルフマッサージアイテムだ。

竹谷浩
「オーブボール エクストリーム」4800円/プロテック アスレチクス(ニューハレックス 0538-35-5555)。

「最近はびっくりするほどお尻まわりの疲労が抜けなくって、筋肉組織の深部までほぐしてくれるコイツでしょっちゅうゴロゴロしています。ゴロゴロせずとも、テレビを観ながら乗っかるだけでもいいんです。

深呼吸の動作にともなって、このボールを支点にして筋肉がたわみ、伸びてくれるんですよ。お尻まわりやハムストリングス、ふくらはぎ、走りすぎたなというときにはスネなど、とにかくのっかってます。

これを使うようになってから大きなケガが少なくなりました。痛みにつながる原因を自分で探せる、体に意識を向けられるアイテムです」。

リモートワークで自然豊かなフィールドの恩恵を存分に味わいつつ、ギアに頼ることで「いつでも遊べる」ためのフットワークの軽さをキープしている竹谷さん。

健康と楽しさのために走る一般ランナーであればこそ、ギアだけでなく自分の体とも大事に長〜く付き合っていくべし。自然体な葉山在住ランナーが示してくれる、ランニングアップデートのヒントがここにある。

竹谷浩

RUNNER’S FILE 22
氏名:竹谷 浩 
年齢:45歳(1975年生まれ)
仕事:スポーツメーカー セールスマネージャー
走る頻度:週1~2日程度

「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る

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礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# Running Up-Date# テーピング# トレイルランニング# 竹谷浩# 職住
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