2020.10.03
LEISURE

ひとりもいいけど仲間とも楽しい。セレクトショップMDがランニングクラブをつくった話

running up date

「Running Up-Date」とは……

「ナノ・ユニバースの社内で、ランニングしている人はいますか?」と聞いたとき、真っ先に名前が挙がったのが上田元始さんだ。

30代半ばまではメンズ畑で活躍し、現在はレディースのMDを務めている。そして、よくよく聞いてみると上田さんの名前が挙がったのにはちょっとした理由があった。

仕事が順調じゃないときほど、走りながら考える

上田さんが走りはじめたのは37歳の春、今から1年半ほど前のことだ。

「ミドルエイジにさしかかってきたので、体型維持のために。お腹には明らかな兆候が出る前だったのですが、周りの人から『一度太るとなかなか落とせないよ』と言われ、じゃあ先手を打っておこうかな、と」。

最初は月1回ほど。だからすぐに「ランナーです」と言える頻度ではなかったのだけれど、地道に続けていると30分間、5kmの距離を走ることが習慣のようになってきた。

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「何度か走っているうちに気がついたんです。たとえフィジカル的に疲れていても、走ったあとは何だかすっきりするなって」。

そうなってくればしめたもの。

「だんだんと、走ることでその日の体の状態がわかるようになってきました。いつもと比べて今日はちょっと重だるいなぁ、とか。不思議なもので、メンタル面でのストレスがあると体に重さを感じる傾向があるんですよね。

先の8月にコロナ禍下での決算があって、いろいろと大変だったのですが、そんなときほど走ると気分転換になるんです。あまりスピードが出せないし、なんなら途中で歩きが入ることもあるんですけど、走ることでメンタルは確実に押し上げることができるので」。

上田さんなりの走るメリットを見つけ、「走ってますと、と言えるレベルになった」のだ。

「走っているときは考えごとをするほうです。主に仕事に関してですが、机の上で考えを巡らせていると、知らないうちにネガティブな思考にとらわれてしまうことがあるんですよね。

でも、走りながら考えるとポジティブな方向で反芻できる。不思議ですよね。だから仕事で課題を抱えているときほど、ランニング中に解決策を考えるようにしています。メンタルヘルスのためにも」。

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仲間を作り、巻き込むことで「続けやすくなる」

走る時間帯もだいたい決まっている。

「1日の終わりに走りますね。荒川のそばに住んでいるので、帰宅後、自宅からの1周5kmのコースを2周することが多いでしょうか。週末に時間が取れたときは日中に走ることもあります。だいたい同じシチュエーションで走っているので、季節の移り変わりが感じられるのが良いですね。自粛期間は人や車の往来が一気になくなりましたっけ」。

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あるとき、同僚に『走ってるんだよね』と話したら、社内にちょっとしたランニングクラブのようなものが結成されたという。

「仕事終わりに集まって、銭湯をランニングステーション(荷物置き場)として利用させてもらって、代々木公園を走るんです。で、終わったらひとっ風呂あびて酒場に繰り出すのがお決まりのパターン。

上司には『飲むところから参加したい』と言われたけど、それは丁重にお断りして(笑)。だいたい5、6人くらいの参加メンバーでしょうか。会話をしないこともないのですが、ダラダラとジョグをするのではなく、けっこうしっかりと走ります」。

若い頃は水泳をしていたけれど、水の中は基本的に自分ひとりの世界。ランニングは集団でできるのが良いところだという。ひとりでもできるし、仲間と一緒に楽しむこともできるのだ。

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「そのメンバーで、今年の春先に『何か大会に出てみたいよね』と言っていたのですが、昨今の社会情勢でいったんペンディングになっています。ランニングクラブの活動自体もお休み中。

でも、こうやって周りを巻き込むのはランニングを続けるいいモチベーションになるんですよね。銭湯ランの活動は機をみて復活させたいと思ってます」。

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走っているキャラクターとして認知されるべし

仲間を巻き込むことのほかに、ランニングをアップデートさせるコツは何かあるだろうか。

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「ランニングアプリ『Adidas Running』を活用しています。走行距離がわかるので、ログを残すためですね。それから周囲を利用することかな。走り始めて少し経ったくらいのときに『走ってる』とカミングアウトすれば、『アイツは走ってる』と知られるわけだから、簡単には辞めにくいじゃないですか」。

一緒に走る・走らないは別にして、周囲から走るキャラクターとして認識されてしまえば、なるほど確かにいろいろメリットがありそうだ。社内外のさまざまな立場の人とやりとりをし、多様な数字を管理しつつ、決断を下すMDらしい発想の妙。ひとりでできるスポーツだけど、仲間とともに楽しむこともできる。その懐の深さがランニングの良いところなのかも。

後編では「3本ラインが好き」という上田さんの愛用ギアについて聞いてみよう。

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RUNNER’S FILE 19
氏名:上田元始 
年齢:38歳(1982年生まれ)
仕事:ナノ・ユニバース MDマネージャー
走る頻度:週1~2回、30~60分程度
記録:レースへの参加はとくになし

「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る

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礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# Running Up-Date# ナノ・ユニバース# ランニング# 上田元始
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