OCEANS

SHARE

2020.09.05

あそぶ

うしろシティ・阿諏訪泰義の「北欧キャンプ」な味あるギア選び

「こだわりキャンパーの愛用ギア」とは……
「ブッシュクラフト」とは、山へ持ち込むギアを最低限にとどめ、極力自然の中にあるものを利用しながらキャンプを楽しむスタイルのこと。
人気お笑いコンビ「うしろシティ」の阿諏訪さんはアウトドア歴17年を誇る上級者。彼のギア選びは、そんな原始的なアウトドアマインドが出発点だ。
阿諏訪泰義●ツッコミ担当。’09年に金子学(ボケ担当)とうしろシティを結成。
阿諏訪泰義(あすわ たいぎ)●1983年1月8日生まれ。神奈川県出身。ツッコミ担当。2009年に金子 学と「うしろシティ」を結成。現在はテレビやラジオなどに出演する傍ら、スウェーデンのアウトドアブランド、フェールラーベンのアンバサダーも務める。最近では、趣味のアウトドアや料理を活かしたYouTubeチャンネル『野あすわ』も話題。

自然に寄り添う北欧スタイルなナイフ

ケラムのウルヴァリン プロ。
ケラム社のウルヴァリン プロ。アウトドアでナイフの渡りは3〜4.5インチ(7.6〜11.4cm)が扱いやすいサイズとされているが、こちらは7.9cm。木材への食いつきがいいべベル(刃の部分)も特徴的。
「夏に友人達とキャンプした経験のある人は多いと思います。僕もそうで、それがあまりにも楽しくて、秋にも行きたくなり、冬にも行きたくなり……結局、年中通して行くようになったんですよね(笑)」。
二十歳で甘美なひとときを味わって以降、どっぷりキャンプの魅力に取り憑かれてしまった阿諏訪さん。回数を重ね、アウトドアの知識も得ていくうちに、北欧のキャンプスタイルに憧れを抱くようになったとか。
「日本では、遭難したときのことも考えて派手な色のウェアやグッズを揃えるのが一般的。でも、僕には北欧の自然に溶け込むネイチャーカラーを多用したキャンプもすごく魅力的に映ったんです」。

いざ、北欧のキャンプ事情について調べてみたものの、当時はまだまだ日本へ浸透しておらず、得られた情報は限定的だった。
ヒットするものといえば、ほとんどが和訳されていないものばかり。必死にGoogle翻訳などを駆使しながら、少しでも有益な情報を得ようと試みた。その過程で、プーッコ(フィンランドに伝わる伝統的な様式で作られたナイフ)と出合う。
「一瞬にして惹きつけられました。とにかく欲しくて海外から買い付けましたね。今では日本でも気軽に購入できると思いますけど、当時は販売している店がほとんどありませんでした」。
阿諏訪さんが愛用するケラムはフィンランドのナイフメーカー(本社は現在アメリカ)で、そのプーッコの切れ味は熟練のアウトドアマンたちも太鼓判を押す。代表モデルのひとつがウルヴァリン プロだ。
「山中でのウッドクラフトにおいて、このナイフは取り回しがとてもいい。なにより木目が面白い白樺のコブ材を使った美しいハンドルは、所有する喜びを与えてくれます」。
ギア選びの基準に「シンプルであること、そして素朴であること」を挙げる阿諏訪さん。大いに納得である。


2/3

次の記事を読み込んでいます。