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2020.02.29

あそぶ

30代半ばで始めた‟トレラン”の魅力はジェットコースターのようなスリル感

いきなり世界最高峰のレースを走るのが無謀だなんて百も承知だ。でも、まずは大自然の中を駆け抜けるトレイルランニングの気持ち良さを味わってみてほしい。
きっと誰もが、“その先”を目指さずにはいられなくなるから。

UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)で雄大な自然の中を走り抜けたい

ムロフィス PRマネージャー 嶋田哲也さん(37歳)ボルダリングにはじまり、今ではトレイルランニングにどっぷり。
ムロフィス PRマネージャー 嶋田哲也さん(37歳)●トレラン歴3年。仕事でザ・ノース・フェイスのプロモーションを手掛けることもあり、徐々に意識が“山”へ傾倒。ボルダリングにはじまり、今ではトレイルランニングにどっぷり。
「目的は暴飲暴食でたるんできた体型を矯正するため。なんてことはない、この年頃の男によくある動機ですよ」。
照れ笑いを浮かべながら、トレイルランニングにハマった経緯を語る嶋田さん。仕事を通じて知り会ったザ・ノース・フェイスのスタッフの提案から、ビギナー向けの大会に参加したのが始まりだとか。
「これがまた想像どおりのキツさで……。ただ、坂道を全力で下ったときの高揚感は今でも忘れられません。ジェットコースターに乗っているようなゾワッとするあの感覚。心地良いスリルとでもいうのか、あれを一度味わってしまったら……(笑)」。
トレラン歴3年にして昨年は国内の5つのレースに参加。すべて完走、徐々に走るタイムも距離も伸びている。そんな彼が参加を夢見る大会が“UTMB”だ。
2003年から、フランス東南部にあるシャモニー=モン=ブランで開催されているウルトラトレイル・デュ・モンブラン、UTMBは通称だ。毎年8月末から約1週間にわたり開催されるトレイルランレースの最高峰である。世界中から2000人以上のトレイラーが参加し、5万人を超える観客が現場へ駆けつける。
距離別に5つのカテゴリーに分けられ、花形はイタリア、スイス、フランスを股にかける全長約171kmの超ロングコース。そこを制限時間の46時間30分以内に走破しなければならない。ただ、走っている最中に目にするこの世のものとは思えない絶景は、挑戦者のみに与えられる特権。“世界一過酷で世界一美しいトレイルランレース”と呼ばれる所以だ。
ⓒAP/Aflo
とはいえ、体力に一抹の不安を覚えるオジサンにとって山中のランはいささかハードルが高いと思うだろう。かくいう嶋田さんもそのひとりだった。
「最初は戦々恐々でしたけど、街中を20km走るよりも山中を50km走るほうが楽しい。景色はきれいだし制限時間内に走り切れば歩いても平気なので実は気楽です」。
そして大会ならではの楽しみがもうひとつ。エイド(休憩所)の補給食だ。
「地方の大会を走ることもままありますが、その土地ならではの補給食がまた旨い。美ヶ原の飲むヨーグルトの美味しさには驚きましたし、伊豆の大会で食べたシシ汁はクセになる。おかわりしすぎて走る前より体重が増えちゃいました(笑)」。
まずは無理をせず、小旅行がてら気軽に始めてみてはどうか。普段の生活では感じ得ない、興奮や感動は、きっと体も心も大いに喜ぶはずだから。
 

自然と一体になれるトレランってサイコー!!


2018年のトレランライフの締めを飾るべく伊豆トレイルジャーニーに初参戦。「早朝6時のスタートで、これはスタート前の一枚。あいにくの天気でしたが約70kmのコースを存分に楽しみました」。

日本百名山にも数えられる大菩薩嶺でのトレラン時に撮影。「走っている最中に見えた富士山は圧巻のひと言」。

2019年に初参加した上州武尊山スカイビュートレイルでは140kmのコースを約32時間で走破。記念にと、スタートから約40km地点にある武尊山でパシャリ。

こちらも上州武尊山スカイビュートレイルでのひとコマ。行く手を阻むようなコースへのワクワク感とともにパシャリ!
 
菊地 亮=文


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