Camp Gear Note Vol.30
2020.02.09
LEISURE

テントの最高峰「ヒルバーグ」担当者に聞く、今選ぶべきテント&タープ5張

連載「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。

ヒルバーグ

スウェーデン生まれのテントブランド「ヒルバーグ」が、なぜテント界のロールスロイスとまで評されるのかに迫った前編に続き、後編は具体的なおすすめモデルについてお話ししよう。

北欧の厳しい自然環境下で開発されたヒルバーグの全製品にとって、ハードな状況下でこそ真価を発揮することは想像に難くない。一方、高温多湿な日本特有の自然環境やキャンプのように一般的な用途に使うならば、使いやすいのは一体どのモデルなのだろうか。

引き続き、A&Fカントリー昭島アウトドアビレッジ店・副店長の水野さんにご教授願おう。教えて、水野さん!

ヒルバーグ

製品群は大きく4つに分けられる

「能力や特徴を把握しやすくするために、ヒルバーグのテントは4つのレーベルに製品を分類しています」。

幅広いコンディションに対応し、使い勝手の良いオールラウンドモデルはブラックレーベル。同じくオールシーズン対応で、強度よりも軽さを優先したモデル群はレッドレーベル。さらに軽さを追い求め、無雪期に適する造りなのがイエローレーベル。上記3つとは特徴が異なる特殊なモデルは、ブルーレーベルとなるそう。まずはこの4つを頭に入れていただき、話を進めよう。

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ブランドの信念を具現化した大定番

ヒルバーグ

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3人用で総重量は4.2kg。頑強な造りは、災害時の備えとしても安心感が高い。

「まずブラックレーベルに属する看板モデルが『ケロン』。ブランドのアイコンでもあるトンネル型のフォルムを最初に採用したモデルです。快適性、強度、居住空間の広さなど、ヒルバーグの特徴をすべて兼ね備えています」。

ケロンで使うポールは、すべて同じ長さに設計されているのでポール通す箇所を間違えることがない。

「ヒルバーグには、 “陽が落ちた悪天候の中、グローブをしたままでヘッドランプの灯りだけでも素早く設営できる”という、テント作りの理念があります。言い換えれば、誰にでも簡単に設営できるテントと言えます。圧倒的な居住空間確保ができるので、キャンプシーンでも使い勝手がいいモデルです」。

ヒルバーグ
厳冬期や高所も苦にしない、ヒルバーグのテントの中でももっともタフなモデルのひとつ。

「サイズや仕様のバリエーションはいくつかありますが、お店での売れ筋は『ケロン3GT』です」。

こちらはケロンよりも前室部分を広くとり、たっぷりと荷物を置くことができる仕様のもの。出入り口は両サイドにあり、暑い日は開放すれば風の通り道もしっかり確保できる。世界中のハードな冒険に使われている信頼性の高さが売りだが、その機能性は日本のファミリーキャンプでも活躍してくれる。

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定番をベースに軽量化を施した進化型

ヒルバーグ

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おすすめは4人用の『カイタム4GT』。ケロン3GTよりひとり分広いうえに総重量で500g軽い。

ケロンの特徴を踏襲しつつ、軽量化を図ったのがレッドレーベルに属す「カイタム」シリーズだ。

「例えば、『ケロン3GT』の総重量が5kgあるのに対し、同サイズの『カイタム3GT』の重量は4.1kgに抑えられています」。

生地の厚みやポールの径を少しだけ変更することで、20%近いシェイプアップを実現。キャンプや登山ならば通年使える十分な強度も備えている。

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背負って歩くなら1kgは大きな差になる。ビールが1L余計に持てると考えればわかりやすいかも。

オートキャンプに使うならば重量は気になるポイントではないが、コンパクトにしまえるので、保管時のことも考慮してこちらを選ぶユーザーも多いのだとか。

「ちなみに、どのモデルも使用推奨人数の表記よりも広々使える設計になっています。通常3人用とされているものは3人寝たらギュウギュウなのですが、うちのテントはプラス0.5人分くらいの余裕があるので、小さいお子さんのいる家庭なら4人家族で使うことも出来るんですよ」。

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ヒルバーグテイスト満載の自立式モデル

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前編で紹介した通り、夏山も冬山も快適に過ごせるこだわりがぎっしり。3人用で3.7kg。

「ヒルバーグらしさを残しつつ、自立式にして設営作業を楽にしたのが『アラック』。強度や前後に設けた出入り口などの快適な造りは、そのまま受け継いでいます。ファミリーでキャンプにも山にも使うのであれば、『アラック3』がちょうどいいでしょう」。

自立式とは、フレームを差し込むだけで設営が完了する仕組みのこと。山の高所のようなペグが打ちづらい場所でも立てることができ、組み立てが素早くできることがメリットだ。登山など移動を伴う用途に使う機会が多くなりそうならば、こちらをどうぞ。

ヒルバーグ
重さだけを見れば、他に軽いテントはたくさんあるが、この安心感と佇まいのよさにはかえがたい。
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売り切れ必至! 通気性に優れたリッジテントタイプ

ヒルバーグ
今年の4月に発売予定。2人用で重量は1.4kgと軽量。

今シーズンの注目を伺ったところ、名前が上がったのが「アナリス」なる新作モデル。

「ヒルバーグとして最初に手掛けたテントをベースに作りました。非常に軽いイエローレーベルに属する製品で、通気性がとにかく抜群。トレッキングポールを2本使って立てる構造を採用しています」。

蒸し暑い日本の夏にぴったりだし、なによりフォルムがスタイリッシュ。これは、あっという間に売り切れてしまいそう……。

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50年近く前に創業者が手掛けたモデルがアイデアソースとなった。
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アウトドアを五感で感じるための選択肢

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タープ5(215×315cm)、10(290×350cm)、20(440×440cm)50(710×710cm)の4サイズ展開。写真は「タープ20」。

テントではないが、タープも密かな売れ筋だそう。日陰を作ったり、リビングにしたり、地面に沿わせて張りそのまま寝たりと、アイデア次第で使い方は無限大だ。特にヒルバーグのタープの落ち着いた色味は、キャンプ場でたくさんのサイトに混じるとひと際目をひく。

「サイズは4種類、素材も2種類展開しています。使い勝手が良いサイズ感の『タープ20』がおすすめです」。

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低く張ったり、高く張ったり、片面だけ上げてみたり。いろいろな張り方を試してみよう。

上記の5モデル以外にも、ヒルバーグの製品はどれもプロダクトとしての機能美を持ち合わせている。機能だけではない美しさも、ヒルバーグが評価され続ける所以であり、おすすめしたいポイントである。

まずは、その実力を店頭で手に触れて体感してみていただきたい。世界最高峰の車に乗るにはちょっとお金がかかり過ぎるが、世界最高峰のテントなら手が届かなくもないでしょう?

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[問い合わせ]
エイアンドエフ
03-3209-7575
Hilleberg.JP

池田 圭=取材・文 矢島慎一=写真

# Camp Gear Note# キャンプ# テント# ヒルバーグ
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