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2019.11.22

あそぶ

【試聴OK】解禁されたボジョレーにも合う! ワインに合わせて聴きたい10曲

テーマに合わせた10曲を「iTunes」から選び、毎月リリースしていくコーナー。セレクターは、ビームス創造研究所 クリエイティブディレクターであり、ビームス レコーズ ディレクターの青野賢一氏。
秋めいた日が続き、ようやくアウターに袖を通す気持ちになった今日この頃。気温が下がると腰を据えてお酒を飲みたくなりますね。そこで、ワインです。
11月21日(木)にはボジョレーヌーヴォーも解禁されましたし、ワインを楽しむには打ってつけの時季。ということで、今回はワインと音楽のペアリングを念頭に置いたセレクションです。
全体的には落ち着いたトーンを維持しつつ、個性的なワインの味わいを増加させるような曲を取り揃えました。10曲に合わせて10杯飲んだら飲みすぎですけどね。

See Saw / Merryn Jeann


はじめの一杯は軽やかだけれど存在感のあるワインを選びたいもの。音楽もそれに合わせた作品を選んでみました。オーストラリア出身で現在はフランスを拠点に活動するシンガー・ソングライター、メルリン・ジャンによるボサノヴァ・タッチの一曲を。
 

Dream 1 / Rex Ilusivii


名盤『São Paulo Confessions』をリリースした1999年に亡くなってしまったSubaことレックス・イルーシヴィ。ブラジルのエレクトロニック・ミュージック界の鬼才が遺した未発表音源をまとめたアルバムからの穏やかでドリーミィなナンバーです。
 

Face It / Stella Donnelly


12月の単独公演が瞬く間にソールドアウトとなったオーストラリアの若きシンガー・ソングライター、ステラ・ドネリー。聴きやすいサウンドですがヘヴィな歌詞も多く、そこが支持されている理由。果実味があってキレのいい白ワインといったところでしょうか。
 

Once You Get a Taste / Fink


イギリスのシンガー・ソングライター、フィンクの最新アルバムが素晴らしいです。フォーキー、ブルージーと色々な形容の仕方がありそうですが、ひとことで言えば「滋味深い」アルバム。全曲必聴です。個性豊かなナチュラルワインのような味わい。
 

Wintertime / Norah Jones


(おそらく)いよいよ冬本番、ということでこの曲をピックアップ。寒い時季に恋しくなるものと言えば、ヴァン・ショー(ホット・ワイン)ですが、ノラ・ジョーンズの歌声もちょっとそんなところがあるような気がします。温まりますね。
 

Too Much To Ask / Moonchild


LAのトリオ、ムーンチャイルドが約2年ぶりにアルバムをリリース。前作同様、ジャジーなR&Bを基調にした内容で、聴けば柔らかな空気がまわりを包んでくれます。その中から、シルキーな心地よさのある一曲を。軽めの赤ワインを飲みたいときに合いそうです。
 

Dreams and Desperate Measures, Pt. 2 (feat. Esperanza Spalding, Aaron Parks, Matthew Stevens / Terri Lyne Carrington


奥行きのある味わいの赤ワインにはやはりジャズがしっくりきそうです。女性ドラマー、テリ・リン・キャリントンのニューアルバムは、前半がヒップホップ色の濃い内容で後半はカルテット編成のコンテンポラリージャズ。その後半からの一曲です。
 

Look, the moon…(Carmen’s) / Kip Hanrahan


ラテンやジャズの要素が複雑かつ濃厚に絡み合った作風で知られるキップ・ハンラハン。1990年のアルバム『Tenderness』から、妖しげな雰囲気たっぷりのこちらを。いい具合にワインに酔ってきたら、こんなディープな音楽が聴きたくなるのでは。
 

Quedar bien con el oyente / Los Piranas


ギター、ベース、ドラムというトリオ編成のコロンビアのバンド、ロス・ピラーニャス。サイケデリックでトリッピーな音世界がたまりません。ピックアップしたのは、どこか日本のお座敷ソング(?)を彷彿とさせる不思議なナンバーです。
 

Piano Sonata No. 21 in B-Flat Major, D. 960: Ⅱ. Andante sostenuto / Khatia Buniatishvili


ワイン発祥の地といわれているジョージア。そのジョージア出身で世界的に活躍するピアニスト、カティア・ブニアティシビリがシューベルトの生前最後のピアノソナタを取り上げたアルバムから、おやすみ前のひとときにも良さそうなこちらを。
 
 <プロフィール>

青野賢一
1968年東京生まれ。ビームス創造研究所 クリエイティブディレクター、ビームス レコーズ ディレクター。ファッション&カルチャー軍団ビームスにおける“知の巨人”。執筆やDJ、イベントディレクションなど多岐にわたる活動を展開中。
 
青野賢一=文


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