熊谷隆志のお洒落で悪いか! Vol.31
2019.07.24
LEISURE

年3回は帰省する魅力の尽きぬ町。熊谷隆志が案内する故郷・盛岡

ファッションを軸にライフスタイル全般への好奇心が止まらない。高い感度と鋭い観察眼を持った熊谷隆志が日々直感する瑞々しい「お洒落」をモノ・コト・ヒト、全方位的にピックアップ。誰に何をいわれようが、オーシャンズ世代の先頭をただ突っ走るオトコを、今月も追いかけてみた。

僕は高校を卒業するまで岩手県・盛岡市に住んでいましたが、10代の頃はまだ盛岡の本当の良さに気付けていなかった。それが、大人になって帰省するたびに、美しい自然や見事なクラフト、おいしい料理やお酒にどんどん魅せられていき、今では年3回ほどですが実家に帰るのが楽しみに。ますます興味が深まり、毎回魅力を再発見しています。

実家の工房からバイト先だったレストラン、最近気になるセレクトショップまで、極私的・偏愛的な盛岡案内です。

 

1625年創業。伝統の南部鉄器
鈴木盛久工房

1625年創業。伝統の南部鉄器 鈴木盛久工房
僕は毎朝、うちの鉄瓶でお湯を沸かしてコーヒーを淹れています。

僕の実家は、江戸時代から岩手県の伝統工芸・南部鉄器を作っている老舗。現在は母が鈴木盛久15代目を務めており、弟が修業中。アートの現場で育ったことは、やはり僕の人間形成にとても影響していると思います。

うちの鉄器は少しブラウンがかっていて見た目がいいし、使い勝手も抜群。後世に受け継がれていってほしいです。

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鉄瓶は多数オーダーをいただいており、注文してから納品まで3年待ち。
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最近では、海外からわざわざ買いにきてくださる方も多い。
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鉄瓶だと、4人がかりで2カ月に40個の生産ペース。手間がかかる。
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弟の成朗は美大卒業後、東京のアパレル会社に勤務。2008年より盛岡へ。
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現在の場所は明治18年から。手前が店舗で、奥が工房になっている
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住所:岩手県盛岡市南大通1-6-7
電話番号:019-622-3809
営業:9:00〜17:00 日曜定休
www.suzukimorihisa.com

 

選ぶのも楽しい名物コッペパン
福田パン[長田町本店]

選ぶのも楽しい名物コッペパン 福田パン[長田町本店]
かなりのボリュームですが、やはり甘辛1個ずつが熊谷式。

ここのコッペパンは、僕が通っていた高校でも売っていたのでまさに青春の味。すぐ売り切れてしまうため、昼休み前にフライングして入手していた。

ハンバーグやナポリタンといった惣菜パンもおいしいですが、あんバターやピーナッツバターといった甘いコッペパンもたまらない。盛岡市民にとってはソウルフードのひとつです。

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とにかくコッペパンが大きい。しかも具材がたっぷりで満足度高し。
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好きなクリームを選んでパンに塗ってもらう。人気はあんバター。
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おやつ系からがっつりごはん系まで、60種類を超えるメニューが。
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1948年創業。この本店のほか、矢巾町、盛岡駅、盛岡駅ビルにも店がある。
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住所:岩手県盛岡市長田町12-11
電話番号:019-622-5896
営業:7:00〜17:00 (※売り切れしだい終了) 不定休

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「洋食とは」「男とは」を教えてくれた店
キキハウス

「洋食とは」「男とは」を教えてくれた店 キキハウス
こちらが憧れの男・菊池千秋氏。僕の影響で、今やすっかり音楽好きに。

3カ月ほどアルバイトをした洋食店。ここのマスターは、料理も洗い物も掃除も適当な僕を叱ってくれて、社会勉強をさせてもらった。何より彼は、男が憧れる男で、お手本とする大人だった。だからアルバイトを辞めて29年経った今でも、マスターに会いたくてこの店を訪れる。ここよりおいしいスペアリブに、まだ出会ったことがない。

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僕にとっては世界一おいしいスペアリブ。必ず注文するメニューです。
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マスターがその日に自分で釣ってきたワカサギを使ったピザ。
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こちらもマスターが自分で仕留めた鹿の肉を使ったパスタ。
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たった3カ月だったけれど、ここで人間構築されたと思っています。
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住所:岩手県盛岡市神明町1-19
電話番号:019-654-6050
営業:18:00〜24:00 不定休

 

盛岡で注目のセレクトショップ
ロカレール

ここのオーナーの中村佳明くんは、東京でアパレルの仕事を経て5年前に盛岡市に出店した。川があって橋があって岩手山が見える場所を探して、この場所に決めたそう。

7年前くらい、僕が何かの記事で「盛岡のファッションが衰退している」と言っているのを読んで奮起したらしい。ぜひとも盛り上げてほしい。応援しています。

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メンズファッションが充実しているほか、アエタなどの雑貨類も目利き。
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レディスはマメ クロゴウチやシハラやララガンのアクセサリーなど。
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川に面したこの場所は、僕が小学生の頃の通学路だった。懐かしい。
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右が中村くんで、中央がこの店の顧客であるうちの弟です(笑)。
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住所:岩手県盛岡市上ノ橋町1-2
電話番号:019-681-6630
営業:12:00〜19:00 火曜定休
www.localers.jp/

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僕の1日はここのコーヒーで始まる
クラムボン

ここのコーヒーが大好きで、もう15年くらい毎月、ブレンドともう1種類おすすめのストレートの豆を300gずつ送ってもらっています。毎朝の楽しみ。

コーヒーはもちろんですが、ここのインテリアも好き。壁や天井など、僕の仕事の参考にさせてもらったりしています。帰省の際には必ず立ち寄って、ここでのんびり時間を過ごします。

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店内にある焙煎機で焙煎した豆。深煎りらしい苦味ある味わいが特徴。
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オリジナルブレンドコーヒー500円と手作りのプリン200円。
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コーヒー豆を入れる麻袋を使った壁と、音楽室のような天井。
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オーナーの高橋真菜さん。いつもおいしいコーヒーをごちそうさまです。
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住所:岩手県盛岡市紺屋町5-33
電話番号:019-651-7207
営業:月〜土曜は10:00〜19:00、祝日は18:00まで
水・日曜定休

 

世界に名だたるクラフトの殿堂
光原社

住んでいた頃は知らなかったが、クラフトに興味を持つようになって初めて、世界から注目されている民芸のお店が盛岡にあることを知った。それ以来、帰省のたびに足を運び、勉強させてもらっています。風呂敷などの布ものコーナーや器のコーナーが特に好き。敷地内のカフェ「可否館」のコーヒーとくるみクッキーも最高。

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柳宗理のデキャンタを発見! もちろん家に連れて帰りました。
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手仕事の美しさに見入ってしまう。この風呂敷も購入。
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1階の布ものコーナー。座布団を自宅のインテリアに取り入れる予定。
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全国の器が並ぶ1階のコーナー。ガラスの向こうは気持ちいい中庭。
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可否館は、民芸の家具や工芸品、器に触れることができる空間。
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創業者は宮沢賢治『注文の多い料理店』を世に送り出した方。
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住所:岩手県盛岡市材木町2-18
電話番号:019-622-2894
営業:10:00〜18:00 毎月15日定休
(※15日が土・日曜日、祝日の場合は翌日に振替)
http://morioka-kogensya.sakura.ne.jp

 

熊谷隆志(くまがいたかし)
1970年生まれ。渡仏後、 ’94年スタイリストとして活動開始。’98年以降はフォトグラファーとしても活躍。同時にクリエイティブ・ディレクターとして自身のブランド、ネサーンス、ウィンダンシーを手掛けるほか、さまざまなブランドやショップのディレクションにも携わる。ファッション、クラフト以外に飲食の分野にも進出し、カフェ・カンパニーのクリエイティブ・ディレクターも務める。趣味はサーフィン。グリーンライフにも造詣が深い。

熊谷隆志=写真 町田あゆみ=編集・文

# 熊谷隆志# 盛岡# 鈴木盛久工房
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