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2019.05.04

あそぶ

初心者OK。金属加工できるDIY施設で、ロゴ入りiPhoneスタンドを自作!

連載「テクが手土産、日帰りDIY」
「Do It Yourself.」 第二次大戦直後にイギリスから始まった復興目的のムーブメントも、今や定番ホビーのひとつ。DIYテクニック習得を狙えるワークショップを開催しているスポットも少なからず存在する。未経験者からベテランまで、行けば必ず何かを得られるはず!
>連載「テクが手土産、日帰りDIY」を読む

ロゴ入りiPhoneスタンドをステンレスでDIY!

金属加工を得意とするスタッフ、内山翔二郎さんがレクチャーしてくれる。
DIYといえば木工がスタンダードだが、前回前々回とお伝えした各種マシンの揃うTecShop(テックショップ)なら、金属を使った作品に挑戦できる。「使う機械によっては事前にSBU(安全&基本講習)の受講が必要になります。安全に初歩的操作を行うためなので、極端に複雑な内容ではありません。お気軽にお問い合わせください」。
金属加工の基本である切断と溶接を学ぶには、シンプルなiPhoneスタンド作りが最適とのこと。今回使うのは「ワイヤーカット放電加工機」と「TIG溶接機」という2つの機械だ。ともに安全性が高く、初心者でも容易に扱えるものの、マシントラブルや怪我に繋がるので油断は禁物。十分注意を払いつつ進めていく。

2枚のステンレスが実用小物に変身!

材料はベンダー機でL字型にしたステンレス板。iPhoneを支えられるよう大は縦9cm、横5cmほどのサイズに。厚さは約1mmをチョイス。
材料は、ネットショップやホームセンターにて入手でき、耐久性十分なステンレス。単純なカット、折り曲げなどもオーダーできる場合が多い。部品は2つ、じつにシンプルだ。
 

”ワイヤーカット放電加工機”でロゴを入れる

ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮、チタンなど、電気が通る素材なら何でもカット可能。
ワイヤーカット放電加工機は、モリブデン鋼のワイヤーと材料の間に放電現象を発生させて加工するマシン。通電性のある素材なら、非常に細かい切り抜きができる。

オーシャンズのロゴデータを読み取らせる

対応するデータであれば、ディスプレイに線画で表示される。
まずはイラストレーターやCADで作ったデザインデータをインポートする。今回はオーシャンズのロゴを用意した。「データはUSBメモリに入れてお持ちいただいても、テックショップ内のPCで作成していただいても大丈夫です」。

カットのスタート地点と方向を指定

”一筆書き”でカットは進む。だから、OCEANSならOとAの内側をくり抜くために、本来なら描かない線が必要なわけ。
カットの始点と方向をデータ上で指示。すると、自動で切る経路を判断し、どういった順番で進むか示してくれる。「カットはいわば”一筆書き”で行われます。そのため、経路が途切れてしまうなら再開ポイントを指定しないと加工できません」。問題なくカットできる状態ならば加工画面に転送してスタンバイ。

材料を本体に固定する

固定が甘いと作業中に外れてしまい、ワイヤーが切れてしまう。
マシンに材料のステンレス板をセットする。「小さい素材なので、クランプを使ってしっかり固定します。水平・垂直にしないと、正しいシルエットが出ないで慎重に」。

ワイヤーをカットの始点に動かす

この作業はアナログ。自分の目だけを頼りに操作するしかない。
X軸とY軸のハンドルを回転させ、カットのスタート地点までワイヤーを移動させる。
「移動させたポイントからカットが始まります。データ通りに切り抜けるよう、素材の天地左右は少し余裕を持たせたほうが良いでしょう」。
マシンの扉を閉じると、ディスプレイ上でのシミュレーションが可能に。この時点で問題があればデータの見直しを。
 

材料に応じた出力設定を行う

各スイッチに記された数を足して、最適出力値になる分だけ押す。
マシンに貼られている表から、最適な出力を判断。正しいスイッチのみオンにする。「今回は1mmのステンレスなのでパワーが2。パルスペースは10、パルスワイドが12になるよう押します」。
そして、ワイヤー送りボタンと加工液ボタンをプッシュ。
「ワイヤーはロールに巻き取られていて、回転することで上下の動きを繰り返す仕組み。加工液はワイヤーを冷やし、通電しやすくします。コンピューターに左右されない部分のため、別に稼働させないといけません」。
 

スタートするとデータ通りにカットが始まる

素材を溶かし切っているため、あまり大きな音は発生しない。
データを送信するとカット開始。加工液が流れ、小さな火花も出しながら、ワイヤーがデザインのアウトラインを進んでいく。
 

切り抜いたパーツが落ちないようクリップ留め

数ミリの切れ端なら問題ないが、1cm近いとワイヤーを切断してしまう恐れあり。
Oの内側を切り始めてしばらくしたら一度ストップ。円形がくり抜かれて落ちる前にクリップで固定する。「切り落とし部分が稼働中のワイヤーに触れると故障に繋がります」。
 

切断加工がフィニッシュ

公式ロゴを忠実に再現。ただし、くり抜く必要のあるOとAにだけ、細い切り込みが入っている。
約20分でワイヤーカッターの出番は終了。加工液をふき取ると、見事にオーシャンズのロゴがステンレスから浮かび上がった。


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