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2019.05.02

あそぶ

ピストバイクが“今の気分”に進化。テンプラサイクル一推しの一台はこれ!

>連載「いま乗りたい、俺たちのチャリ」をはじめから読む
オッサンの今の気分に合った自転車を探す本連載。「eバイク」の次にピックアップするのは、年齢を重ねた男たちにぴったりなピストバイクだ。
変速ギアを持たないシンプルなチャリ、ピストバイク。そのイメージはどんなものだろう? 公道を颯爽と駆け回る姿とともに、かつて世間を騒がせた“ハンドブレーキがなく固定ギア”でちょっと危険……というイメージがあるかもしれないが、それは誤解だ。
ブームから約10年が経ち、カルチャーとしてより深く市場に根ざした結果、愛好家の間では安全をより深く意識しただけではなく、いまの僕らにちょうどいいユニークなモデルがトレンドになっているらしいのだ。
 

より乗りやすく、大人っぽく。ピストバイクの現在

テンプラサイクル
訪れたのは、自転車カスタムを数多く手掛け、アパレルや小物も展開するテンプラサイクル。ピストブーム全盛期に立ち上げた、サイクリストの信頼の厚いショップである。
で、いまのオーシャンズ世代にぴったりのピストバイクってどんなもの?
澤邊 稔さん
「肩の力の抜けた、クルーザーの雰囲気を漂わせたモデルですね。これはブームを体験した人が、年齢的にガンガン走ると疲れるという体力面や、家族ができて下手にケガできないことを考慮して、乗りやすいカスタムを施す人が増えているからです。購入される方は、お子さんを持つ30〜40代の方が多いですよ」(スタッフ・澤邊 稔さん)。
ピストバイク
ドロップハンドルではなく、後方に湾曲したハンドルをチョイスすることで乗りやすくしている。
自転車ビギナーに伝えておくと、そのまま乗れる完成車を購入することも可能だが、フレームはコレ、ハンドルはコレ、と好みのパーツを組み上げてもらうのも自転車の醍醐味。
だからこそ、カゴを付けて休日にお買い物したり、オフロードを走れるようにしたり。美麗な形状とスムーズな走行感はそのままに、幅広い用途に適合できるため、当時の人たちを中心に、ピストを楽しむライフスタイルの幅が広がったのだ。
なにせ元々、ピストの面白さはカスタムの自由度の高さにあるから、こんな変化も頷ける。
「ギアがなく見た目がシンプルで美しく、競技用の雰囲気やビンテージな印象など、ちょっと覚えれば誰でもカスタムできます。そぎ落とされた美しさ。NJS(日本自転車振興会の略。競輪を管理している団体)フレームとなると、各ビルダーさんで若干のディテールの違いがあって、その造形美を楽しむ面白さもあります」。
マエダのフレーム
前後はともに、岐阜の自転車工房・MAEDA(マエダ)のフレーム。一本一本手作業で作られるため、微妙にディテールが異なる。自分だけの一台を手にできるのも楽しみのひとつ。
もちろん、ギアがないことでダイレクトに動力がタイヤに伝わる人馬一体の走りは、カゴをつけようが変わらぬ魅力。さらに安全面も問題ない。
「元々ブレーキが付いていないNJSフレームにもブレーキを後付けできます。うちのショップを含め、カスタムの際にはブレーキを付ける前提です。またピストというとペダルがタイヤと一緒に回って乗りにくいイメージがあるかもしれませんが、空転するフリーギアにもできますよ」。

ではどんなカスタムがあるのか、いくつか作例を紹介しよう。


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