東京から南へ約8200km。オーストラリア南東部に位置する都市、メルボルン。美しい建造物が立ち並ぶ都市部と圧倒的なスケールの大自然、それらがもたらす美味しいワインにゴハン。魅力を挙げればキリがないこの街は、“世界で最も住みやすい都市”とも称される。そんな旅先を知らずにいるのはもったいない。ということで見てきた南半球の楽園=メルボルンのリアル。
広大なオーストラリアの南東部に位置するビクトリア州は、面積でいえば大陸全体のわずか3%。その小さな州の州都がメルボルンだ。とはいえこの街は、「世界で最も住みやすい都市」(英国・エコノミスト誌)に7年連続で選出されるなど高い評価を受けている。その魅力とは何か?
メロウな都市への旅で得る、“憧れの暮らし”のヒント
碁盤の目状の中心部は、1837年から始まった都市計画で開発され、東西2.4km×南北1.6kmというコンパクトな面積に街のあらゆる機能が凝縮されている。
移民大国ならではの異文化がブレンドされた街並みには、近代的な建築と歴史建造物が混在していて、世界のどの都市にも似ていない。
また、人は多くても忙しなさはまるでなく、常にメロウなムード。
東京23区の10分の1程度という人口密度もその要因かもしれないが、大きな理由のひとつは、クルマで2時間圏内に、“世界一美しい”といわれる海岸線や雄大な自然が広がる絶好のロケーションにあるようだ。
メルボルンから“世界一美しい海岸道路”といわれる「グレート・オーシャン・ロード」を通っていくと、迫力満点の断崖絶壁が続く大自然に出会える。
聞けば、週末は海岸沿いのホリデーハウスで過ごす人も多く、働き盛りのOC世代でも週休3日を実践している人も少なくない。都市でありながらカントリーサイドを満喫する。メルボルンでは、そんなライフスタイルが身近なのだ。
南国のリゾートや世界の名立たる中枢都市では味わえない、都市と自然が共存した心地良さ。まさにワンアンドオンリーな街が当たり前に持つ、肩肘張らないメロウな日常。
そこには、我々が思い描く憧れのライフスタイルのヒントがある。ひと口で言うならば、“いつだって心地良くいられる街”と表現できるかもしれない。
清水健吾=写真 長谷川茂雄=取材・文