「文化系オッサンこそ始めたい5400円の手ぶらサーフィン」を最初から読む“初心者上手”なオッサンというのがいると思う。
年齢を問わず“初めて”の体験を楽しめる、初心者になる事にいつも心躍らせられる、そんなオッサンだ。
年齢がひと回りもふた回りも違う年下の先輩に気兼ねなく「それどうやるの! 凄い! 教えて!」と言える人である。そんなの簡単じゃないか、と思われるかもしれないがよーく思い返してみてほしい。最後に初めての事に挑戦したのはいつか、最後に初心者になったのはいつか。
初心者上手なオッサンは好奇心いっぱいで本当の意味で心は少年で、間違いなくカッコイイ。
これは絶対だ、と思う。 初心者上手の条件は変なプライドを捨てる事、知らない事を知るワクワクを思い出すこと、“下手”を楽しめること、などきっと色々あるのだがその中の大事なひとつにそのための塩梅の良いギアを持っていること、があると思う。
オーシャンズ読者である以上は初心者でもかっこいいギアを持っているべし……であると同時にもちろんそのスキルに見合ったものであるのと、なんだか変に“イキって”見えないことも重要だったりする。特にサーフィンはファッションという部分も大事なカルチャーやヒストリーの一部だったりするから尚更だ。
前回、
前々回とお世話になった千葉県は一宮サンライズポイントにある老舗サーフショップCHPで初心者がまずは用意すべきマストギアをレクチャーしてもらった。
機能が大事。でもやっぱり見た目もかなり大事
まずは、サーフショーツ。CHPのおすすめはこちら。
サーフショーツの王道でBILLA BONGはまずは抑えておきたい一枚。 パキっとしたカラーリングでありながらもベースはネイビーという絶妙なバランスで大人の挑戦を後押ししてくれる。そしてRhythm.はいまアツい注目すべきブランド。こなれた淡い色味に、近づくと可愛い総柄がポイント。チャーミングで自然体な雰囲気を演出してくれそう。水陸両用、このまま上にTシャツでも出かけられそうな雰囲気も◎。
次に大事なのはウェットスーツ。
夏の暑い時期はサーフショーツだけでいいんじゃないの? と思いがちだが最初は日焼け対策、そしてボードとの擦れ防止にウェットスーツはマスト。夏の時期はタッパーと呼ばれる長袖のジャケットタイプのものでOK。こちらの一枚は腕の部分はラッシュガードに使われる薄手の素材でボディの部分がウェット素材という動きやすい優れもの。
本気でサーフィンを続ける気になってきたら長袖長ズボンのフルスーツを。こちらは厚みが3mmのもの。冬以外はこの一着で大丈夫。
そして忘れてはいけないビーチサンダル。
オーシャンズ読者の皆様は持っている方も多いとは思うが、サーフィンの際はビーサンだけは浜に置き去りにしなくてはならない。海がそんな所だとは思いたくはないが、何かあってもそこまで落ち込みの激しくないものを履くのがおすすめ。
やっぱり欲しいマイボード!最初の一本は?
さあ、そして本格的にサーフィンにハマってきたらやはり欲しくなるのはマイボード。
もちろん買わずともサーフスクールのあるサーフショップでは多くはレンタルをしてくれる。
……でもやはり、マイボードが欲しい、それでこそオッサンの趣味の醍醐味である……そんな気がする。 CHPでのおすすめはこちら。
オリジナルのショートボード。ちょっとこなれた感じのショートボードでありつつもまだまだ初心者なオッサンに優しい厚みのあるもの。厚みがある分、浮力もあり達成感と挑戦感の程良い狭間を楽しませてくれそうな愛しき相棒である。
ボードを買うとなれば舵取りの役割をするフィン、ボードと足をつなげておくためのリーシュコード、そして乗った時に後ろ足が滑らないようにしてくれるデッキパッドも一緒に。
カラフルなものが多い中、ちょっとこんな抑えた色味のものを選ぶと「大人っぽくていいね」とはCHPオーナーの中村さん。
ここまで揃えればもうぐっと胸を張って「サーフィンやるんだよね」と敢えてサラリと自慢してみちゃったりも出来る。
今回取材に行って思ったのは、お店でも海の中でもみんな仲間をあだ名で呼び合ったりしている。年齢に関係なく「お! よっちゃん」とか「つっきー今日は波はどう?」のように。
これってある意味イケてるオッサンのひとつのバロメーターになるのではとふと思ったのだ。仕事の話は一切しない、あだ名で呼び合える仲間がいるかどうか。仕事以外で熱中出来るものがあり初心者上手。これはもうカッコイイオッサンの定義のひとつとしてぜひとも声を大にして言いたい。そしてギアに萌えてそこから入るも多いに“アリ”だと思う、サーフィンも。
CHP(カルフォオルニア ハワイプロモーション)住所:千葉県長生郡一宮町東浪見7428-3電話番号:0475-42-4626営業:月-金 8:00〜18:00 /土・日・祝 6:00〜19:00www.chp.co.jp取材・文=岡野ぴんこ
撮影=
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