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2020.06.01

からだ

深い眠りに夜ランは厳禁! 睡眠ホルモン「メラトニン」を分泌させるコツ

たのしい睡眠
「たのしい睡眠」とは……
「人生の1/3は睡眠時間が占める」。そう言われるほど、眠りは大切だ。しかし、日本人の睡眠時間は減少の一途をたどっているという。とはいえ、忙しい40代男性にとって、睡眠時間を削らざるを得なかったり、リズムが不規則になってしまうのは致し方ないことでもある。
近年の研究では、眠り方さえ工夫すれば睡眠不足や不規則な睡眠リズムによる弊害を軽減できることがわかってきている。そのカギを握るのが、“睡眠ホルモン”だ。

“昼夜逆転生活”は成長ホルモンの分泌を妨げる

以前も解説したが、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は、身体組織の修復や疲労回復に欠かせない物質だ。さらに、成長ホルモンはタンパク合成を高める作用も持つため、筋肉量の維持や増加のためにも欠かせない。
睡眠不足で成長ホルモンの分泌量が不十分になると、筋トレをしたあとにプロテインなどでタンパク質を摂取しても、筋肉を増やしにくくなる。
この大切な成長ホルモンの分泌量を増やすのに欠かせないのが、“睡眠ホルモン”とも呼ばれる「メラトニン」だ。夜になると脳の松果体(しょうかたい)という部位から分泌され、眠りを深くし、成長ホルモンの分泌を促す働きがある。つまり、メラトニン不足は成長ホルモン不足に直結する、ということだ。
メラトニンの分泌量は目覚めが近づくにつれて減っていき、起床後に分泌がストップする。そして起床の14~16時間後に再び分泌が始まり、眠気を感じるようになる。例えば昼夜逆転の生活が続いたりすると、この自然な仕組みが乱れるため、入眠時に適正量のメラトニンが分泌されなくなってしまうわけだ。
そもそも人類は、「太陽が昇ったら起き、沈んだら寝る」というサイクルを何千年も昔から繰り返してきたわけで、このサイクルを無視するような不規則な生活スタイルが生まれたのなんてせいぜい100年前だろう。そう考えると、人間の体がそんな短期間で変化に順応できるはずもない。睡眠トラブルによって心身の健康を崩す現代人が多いのは当然で、そのぶん調整が必要なのだ。


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