2020.04.12
HEALTH

就寝3〜4時間前に30分のジョグとストレッチ。これで睡眠の質が一気に高まる

時短高負荷

「ジタンコウフカのススメ」とは…

時短で理想のボディシェイプが手に入れられる「高地(低酸素)トレーニング」を街中で体験できてしまう、トレーニングスタジオ「ハイアルチ」。そのハイアルチのプロデューサー兼フィジカルコーチの新田幸一さんに、時短高負荷なトレーニングをレクチャーしてもらうこの企画。

今回は、新田さんの元を訪れる多くのトップアスリートが抱える悩みのひとつ「睡眠の質の低下」にフォーカス。

これもトレーニングによってかなり改善できるという。アスリートたちが実践している睡眠の質を上げるためのテクニックとは?

【教えてくれる人】新田幸一さん         時短高負荷
高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。

たっぷり寝ても「質」が低ければ疲れは取れない

近年、睡眠の重要性がクローズアップされている。とくに言われているのが、睡眠は「量」以上に「質」が重要だということだ。

「睡眠の質の低下は、疲労回復を遅らせ、慢性的な体調不良の原因になることがわかっています。もちろん、運動パフォーマンスが低下するので、アスリートにとって睡眠は重要なコンディショニングのひとつと言っていいでしょうね」。 

時短高負荷

一般的に6~7時間が理想の睡眠時間とよく耳にするが、たっぷり寝ても「質」が低ければ体の疲れはとれない。

睡眠中には体の修復を促し、メンテナンスを行う「成長ホルモン」が大量に分泌される。その分泌量が最も多くとなるのが、就寝後、最初の90分~3時間くらいであることが医学的に明らかになっている。この時間帯に眠りが浅いと、体の修復に十分な量の成長ホルモンは分泌されない。

また、睡眠には、日中に学習したこと(記憶)を体に定着させる働きもある。眠りが深い睡眠の前半は組織の修復に、眠りが浅くなる後半には記憶の定着が行われると言われている。

「トレーニングで覚えた動きやテクニックを体にフィードバックするためにも、十分かつ質の高い睡眠は必須。つまりトップアスリートにとって、質が低い睡眠が続くことは、致命傷になりかねません」。

そこで紹介するのが、睡眠の質を上げたいアスリートたちに新田さんが提案しているメニューだ。

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就寝前に3〜4時間前に、心地良い疲労感を体に与える

ポイントは、就寝時間から逆算して、3〜4時間前にトレーニングを行うこと。例えば、23時に就寝予定なら20時前後に30分程度のトレーニングを行い、その後、軽い夕食を就寝の約2時間前、入浴を約1時間前までに済ませる、という具合だ。

「ハイアルチに通っているアスリートたちには、就寝の3〜4時間前にスタジオに来てもらいます。そこから自走式トレッドミルで30分間、ジョグペースで走るだけです。心拍数の目安は、120拍/分程度。それ以上の強度になると体を覚醒させる交感神経が興奮してしまって、就寝時間になってもなかなか眠れなくなるおそれがあります。あくまで体に心地良い程度の疲労感を感じさせることが狙いです」。

●30分間ジョグ

時短高負荷
心拍数は120拍/分以上に上げないように、ジョグペースでゆっくり30分間走る。屋外で行ってもOK。疲労感が強いときは時間を短縮しよう。体調に合わせてフレキシブルに運動強度を調整することが重要だ。

ストレッチも必ずセットで行うこと。日中のデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けると筋肉は硬くなり、血流が滞ってしまう。ストレッチをすることで筋肉が柔らかくなり、末梢の血流が改善。それが睡眠の質の向上につながる、と言われている。

●大腿四頭筋ストレッチ

時短高負荷
ジョグで酷使した下半身を伸ばすストレッチ。片脚を曲げ、もう一方の脚は伸ばして床に座り、上体をゆっくり後ろに倒して太モモ(大腿四頭筋)を伸ばす(左右各10回×3セット)。就寝前はこのように無理なく筋肉を伸ばせる、低負荷のストレッチがおすすめだ。

「ハイアルチでトレーニングした後は眠くなる、という人が多いんですが、それは『常圧低酸素環境下で運動をすると睡眠の質が向上する』ということが実験データでも示されています。ただ、アスリートほどハードにトレーニングしていない一般の方なら、近くの公園を軽く走る程度とかでも十分だと思います。

あくまで軽い疲労感を与えることが目的なので、仕事で疲れているのに無理に運動をする必要はないと思います。逆効果になることもあるので。そんなときは、軽いストレッチを行って血流を良くするだけでも十分です」。

デスクワークでなまった体をリフレッシュさせ、かつ眠りの質を高めてくれる時短トレーニング。生活のリズムを崩さずに健康をキープする一助になるかもしれない。

「ジタンコウフカのススメ」
「忙しくて時間がない」「ジムトレもそろそろダレてきた」という男性諸君、ちょっぴりキツいけどサクッと終わるトレーニングはいかがだろう。キーワードは「ジタンコウフカ(時短高負荷)」。呪文のようだが、そこには科学の力を借りて効率よく体を変えるヒミツが隠れている。サッカーやラグビーの日本代表選手も通いつめる高地トレーニング施設のトレーナーに、理論と実践法を教わっていこう。上に戻る

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【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。

 

楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真

# ストレッチ# ハイアルチ# 低酸素トレーニング# 時短高負荷
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