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2018.03.09

からだ

香水の適量って?男のニオイ対策、正しいアプローチが知りたい!

大人も知らないニオイの世界 Vol.5
「スメルハラスメント」が問題となるなか、自分のニオイが気になる人も多いはず。一方で、ニオイの感じ方は人それぞれで、人によっては「むしろ好き」という人がいるから不思議。身近なだけに意外に知らない“ニオイ”の奥深い世界を、一緒に深掘ってみませんか?

毎日は洗えないスーツのケアに役立つのが「消臭スプレー」。飲み会などで付いた油や、たばこのニオイを消すのにも重宝します。一体どのような仕組みで、ニオイを消してくれるのでしょう。臭気判定士で「ニオイ刑事」としても活躍しておられる松林宏治さんに教えてもらいました。
 

最強の消臭は「洗い流すこと」!? 意外と知らない消臭の仕組み

「ニオイを消すためには、まずはニオイの元となる菌を断つのが大前提。消臭スプレーの場合は、スプレーに含まれている精油やエタノールなどで殺菌・除菌をします。その上で、菌から繁殖したニオイ分子を分解するような成分で、ニオイを吸着分解するものが多いのだと思います」(松林さん、以下同)。
人が身近に感じる不快なニオイは、「S系(硫黄化合物系=硫化水素などのニオイ)」「N系(窒素化合物=アンモニアなどのニオイ)」などと分類分けができるといいます。消臭のためには、それぞれのニオイ分子を“中和”させることが重要なのだそうです。
「菌を殺すという意味では、一般的なもののひとつがエタノールでしょう。また、除菌効果がある塩素や次亜塩素酸の濃度を落として使うこともあります。ワキをはじめとした体臭には、渋柿などに含まれるタンニンが使われることも多いです」。
ただし、「消臭には、そもそもの原因となる菌を洗い流してしまうのが一番効果的」と松林さん。洗える部分はこまめに洗って、清潔に保つことがニオイケアの第一歩になりそうです。
 

体臭を香水で消す、は逆効果の場合も……

ところで、日常的に“香水”を使う男性も多いですよね。しかし、「付け方には注意が必要」と松林さん。
「香水はある程度ニオイがないなかで、ちょっと香るぐらいがちょうどいいものです。ですから、体臭がきついからといって香水でニオイを消そうとするのはNG。香水のニオイに鼻が慣れてしまうと、その後ろにある体臭のニオイも感じるようになってしまうので逆効果になりかねません」。
仕事終わり、デート前に香水をひと吹きする……という人もいらっしゃるかもしれませんが、汗やタバコなど体のニオイが気になる場合は、むやみに吹き付けるのは避けたほうがいいのかもしれません。
「香水をもし身につけたい場合は、他のニオイがない状態で、自分が本当に好きな香りを、ほんの少しまとう程度がちょうどいいと思いますよ」。
消臭スプレーと香水、“快適な香り”を提供するという意味では一緒ですが、“ニオイケアをするもの”と“おしゃれを楽しむもの”では、目的は全く別物。TPOと身体の状態に合わせて、使い分けたいものですね。
【取材協力】
臭気判定士・松林宏治さん
1976年、愛知県名古屋市出身。1999年、南山大学経済学部卒業後、一般企業を経て2003年、消臭専門会社である共生エアテクノを設立。脱臭装置の設置、悪臭調査と対策提案・設計などを行っている。「クサイに挑むプロフェッショナル」として、“におい刑事(でか)”の異名で、数々のメディアでも活躍中。2016年、電子書籍『ニオイで女性に嫌われない方法』を上梓。
・共生エアテクノ https://www.201110.gr.jp/
・臭気判定士/におい刑事(デカ) におい110番~深呼吸空間を創造します~ https://ameblo.jp/nioideka/

取材・文=周東淑子(やじろべえ)
 


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