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2020.11.19

たべる

新宿3丁目のビアテラスで、元演劇娘がまるで舞台のように働いていた

「看板娘という名の愉悦」とは……
紀伊国屋書店本店と伊勢丹百貨店に挟まれた立地。いわば、新宿のど真ん中である。そんな場所に今年9月、なんとも胸踊るビアテラスがオープンした。
「バスあいのり3丁目テラス」
外飲み好きとしては心を激しく揺さぶられる。
店名は「バスあいのり3丁目テラス」。あいのり? 恋愛バラエティ? いえいえ。そこには「高速バスの空きトランクに“相乗り”状態で全国の食材を積んで、土地の風土や食文化を発信する」という思いが込められていた。
BGMは小鳥のさえずり。見晴らしの良いカウンター席に陣取り、さっそくドリンクメニューを拝見する。
尾道、徳島、大分などで採れた柑橘類を使ったサワーが売りのようだ。
メニューに地名を冠することによってストーリーが生まれ、「飲んでみたい」という気にさせる。
大型ビジョンに目をやれば「遠野ホップ収穫祭」の文字。
ビールの原料であるホップの産地として有名な岩手県遠野市。この店では当地の生産者と東京を結び、ビアツーリズムなどを仕掛けている。
「今年収穫されたホップで醸造されたビールで乾杯」というイベントも。
決めかねていると看板娘からひと言。「今日はちょっと冷えるので、熱燗もお出しできますよ」。おっと、ビアテラスで熱燗。それが正解でしょう。


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