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2019.02.22

たべる

味に加えて道具もこだわる男の、便利で愛着の持てる料理道具

年を重ねてわかったことのひとつが料理の楽しさだったりする。美味しいものを食べることはもちろん至福の瞬間ではあるけれど、料理を作るプロセスも、自分と向き合う貴重な時間だ。気がつけば、便利で愛着の持てる道具を揃えたい自分がいる。
 

「山田工業所」の片手鍋と餃子鍋

「山田工業所」の片手鍋と餃子鍋
片手鍋3195円、餃子鍋7084円、餃子鍋用蓋2233円/すべて青木商事 045-681-5176
重たい中華鍋を振り回して作るチャーハンこそ男の料理の究極か!? そこで必要なのが、熱伝導がいい鉄製の鍋だ。
1枚の鉄板をハンマーで叩いて(外径30cmで約5000回)鍋の形にする「打ち出し製法」を貫く山田工業所のそれは、横浜中華街のプロたちが長年愛用するお墨付き。叩くことで表面に凸凹ができ、油のなじみが良くなり焦げつきにくいのだとか。しかも鍋底が厚く側面は薄いから火がまんべんなく通るという。そして餃子鍋も。我が家の餃子がいちばん旨いって幸せじゃない?
 

「野田琺瑯」のケトル

「野田琺瑯」のケトル
6000円/レイバー・アンド・ウエイト・トウキョウ 03-6804-6448
琺瑯(ホーロー)製品一筋80年以上の老舗が手掛けるケトルは、プロダクトデザイナー、柴田文江さんデザインによる懐かしい佇まい。職人の手作業で釉薬を焼き付けているためひとつひとつ表情が異なる。写真の緑のほか、白、黒など全5色。
 

「白木屋」のまな板

「白木屋」のまな板
H3×W40×D27cm 5万8000円/白木屋 0773-33-3639
プラスチック製のまな板が幅を利かせる昨今、一生モノと言ってもピンとこないかもしれない。でも上質なまな板は、余裕で40年以上は使えるのだとか。そんな逸品を作り続けるのが、国内随一のまな板メーカー、京都・白木屋。
職人の吉田弘さんが1人で作れる量は月に100〜120枚。まな板に適した木材は丹波や但馬産が多いが、吉田さんは自ら現地へ出向き、本当に良質な部分を厳選する。切り出して屋外で2〜3年、屋内で3〜4年、乾燥させて初めてまな板の材料となる。
完成したまな板は包丁が引きやすく、柔らかで刃を傷めず水切れもいい。しかも抗菌効果があるから手入れも簡単とのこと。15年ほど使って傷んできたら、カンナで削って次の15年を。それを数回繰り返すことができるから、まさに一生モノと謳えるわけだ。

まな板に使われる木材は、朴(ほお)、榧(柏)、銀杏、ねこ柳など。どれも高級木材だが、なかでもねこ柳は弾力があって使いやすいと評判だ。自分で釣った魚を、このまな板の上でさばいて刺身にする。ここにもひとつ、男のロマンがある。
 

「有次」の包丁

「有次」の包丁
[左]出刃包丁16.5cm 1万5500円、[中]三徳牛刀18cm 1万5500円、[右]ペティナイフ12cm 1万700円/すべて有次 錦店 075-221-1091
調理道具は信頼の置けるものを! と心から思うなら、世界の料理人が欲しがる日本製、しかもそのオリジンを無視するわけにはいかない。だから、京都の有次(ありつぐ)が正解となる。創業は永禄3年(1560年)って……桶狭間の戦いがあった年じゃないですか。
刀鍛冶から始まり450年以上磨き続けてきた切れ味は、感動すら覚える。万能な三徳牛刀に、魚がさばける出刃、果物や野菜の皮剥きに便利なペティナイフがあれば、作れない料理などない。
 

「ジェイジー ドレスセン デイグッズ」のエプロンとミトン

「ジェイジー ドレスセン デイグッズ」のエプロンとミトン
エプロン9000円、ミトン6900円/ともにドレスセン dresssen61@gmail.com
男子厨房に立つなら、ファンシーなエプロンやミトンは避けたい。ならば世にも珍しいエプロンブランドが国内老舗工場で作る帆布製のタフなやつを。
 

「ヴェーエムエフ」のキャセロール

「ヴェーエムエフ」のキャセロール(厚手鍋)
直径24cm 3万5000円/グループセブジャパン 0570-077-725
高機能な厚手の鍋=キャセロールがあれば、カレーもパスタも手際よくできる。「ファンクション フォー」は、シリコン付きの蓋の閉め方で、密閉、湯切り、注ぎ口、水切りという4つの機能が切り替わるドイツ発のスグレモノ。倍速で料理の腕が上がる。
 

「照宝」のせいろ

「照宝」のせいろ
直径27cmの蓋と本体 各5900円/照宝 045-681-0234
中華街で食べられるような飲茶を自宅でも。そんな願望をバッチリかなえてくれるのが、プロ料理人御用達のこれ。なかでも日本国内で手作りで仕上げるヒノキ仕様のものは、食欲を増す香りが漂い、風味もアップ。
 
cooking
「ノジャン」のオープナー
「ノジャン」のオープナー
輸入品の缶詰はプルトップのないものが意外と多い。だから缶切りも必要になってくる。フランスのキッチンツールメーカー、ノジャンが作ったミニマルなデザインがニクい。1800円/レイバー・アンド・ウエイト・トウキョウ 03-6804-6448
「タラ」のクックメジャー
「タラ」のクックメジャー
男の料理といえど、目分量はいただけない。調味料や粉モノは、味と出来栄えを大きく左右する。だから、こんな乾物専用の計量カップがあれば助かる。材料ごとに体積と重さがひと目でわかるから便利。2500円/レイバー・アンド・ウエイト・トウキョウ 03-6804-6448
「ももや」のムッキーちゃん
「ももや」のムッキーちゃん
日本には美味しい柑橘類がいっぱいあるけど、皮を剥くのが面倒くさい。だからキッチンにはムッキーちゃんがいてほしい。上蓋についたツメを使って硬い外皮も房の薄皮もサクッとカットできるのだ。もちろん皮が硬いハッサクや甘夏、グレープフルーツだって、ラクラク剥けます! 各430円/ももや 0977-22-0062
「ウエスコ」のソルト&ペッパー
「ウエスコ」のソルト&ペッパー
使う頻度が最も多い調味料で、食卓を飾る小物でもあるソルト&ペッパー入れ、気を使ってますか? こちらはドイツで150年の歴史を誇る家庭用品メーカーのもので、古き佳きダイナーに置いてありそうなヴィンテージデザインが魅力。4000円[2個セット]/ブルペン 03-6407-0526
「ノジャン」のオープナー
「タラ」のクックメジャー
「ももや」のムッキーちゃん
「ウエスコ」のソルト&ペッパー
 
鈴木泰之=写真 遠藤 寛=スタイリング 川瀬拓郎、長谷川茂雄=編集・文


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