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2018.10.06

たべる

世界No.1アイリッシュウイスキーに学ぶ、酒がもっと旨くなるモノ語り

良いモノにはストーリーがある。服や時計、クルマだけじゃなく、酒だってそう。どこの誰が、どんな想いで、どんなこだわりをもって造っているか。
味や香りの裏に息づく“背景”に想いを巡らせるのも、酒の楽しみ方のひとつだ。今回はそんな“旨さ”を知るきっかけとして、ふさわしい限定品を紹介したい。
ジェムソン ジャパン リミテッド 2018 700ml 2071円[参考小売価格]/ジェムソン(ペルノ・リカール・ジャパン 03-5802-2671)
No.1アイリッシュウイスキー「ジェムソン」が、日本のためだけに開発した限定エディション。世界トップブランドと、気鋭の日本人アーティストとコラボした、またとお目にかかれない逸品だ。
まず目を引くのはラベル。師匠から若い職人への伝統の継承をモチーフに、「家族、兄弟、友人との絆」と「受け継がれる伝統」を重んじる同ブランドの精神を、日本の浮世絵風のデザインで表現している。樽で熟成するときにウイスキーが蒸発して減っていく“エンジェルズシェア(天使の分け前)”の様子からは、ウイスキー造りの神秘も感じられる。

このラベルデザインを手がけたYU SUDAは、日本画の手法と現代のポップな感性を融合させた画風が特徴のアーティスト。洒落っ気たっぷりな世界観で、ミュージシャンや企業、アパレルブランドとのコラボも多数行っている。

味のほうはどうかというと、これもまた深い。ウイスキー発祥の地であるアイルランドの伝統的製法にのっとった、オーセンティックな味わい。まろやかな香ばしさ、豊かなナッツやウッドの香味とスムーズさ、そしてアフターのなめらかな余韻。いつまでも飲んでいたくなる心地良さを感じさせる。

割り材をあまり選ばないタイプだが、あえておすすめするなら、さわやかなテイストのものを。例えばジンジャーエールとライムを合わせた「ジンジャー&ライム」のような、キレの良さが際立つタイプが好相性だ。

たたずまいから味わいまで、各所から醸し出される「伝統」のキーワード。これを知ったうえで飲むと、また違った視点が生まれてくる。「このデザインにはこういう意味があったのか!」「だからこういう味なんだ!」なんていう発見があったら、つい誰かに語りたくなったりして……。
背景に潜むクラフトマンシップへ想いを馳せれば、酒はもっと旨く、楽しくなる。この秋はそんなテーマでグラスを傾けるのも悪くない。もちろんウンチクが先行しすぎて頭でっかちにはならないように。
 
[問い合わせ]
ペルノ・リカール・ジャパン
03-5802-2671
www.pernod-ricard-japan.com
中山秀明=文


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