「スナック」という名の愉悦 Vol.6
2017.03.07
FOOD&DRINK

気鋭の研究者たちによる「スナック研究」最前線

メンバーはそれぞれの分野で第一線を走る研究者

連載第1回は「オーシャンズ世代になっても、スナック未経験でいいの?」という問いかけによるイントロダクション。そこから、「スナックの基礎知識」、「スナックの発祥」、「スナックに関するトリビア」「ニュースナックの増加」というテーマで進んできた。

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先生は、首都大学東京の法学系教授で法哲学を専門とする谷口功一氏。スナック好きが高じて2015年に「スナック研究会」(http://snaken.jp)を立ち上げた、生粋のスナック愛好家である。

連載前半、谷口氏による「座学編」は今回がラスト。せっかくなので「スナック研究会」、通称「スナ研」による研究の成果を聞きたい。

「スナ研」代表の谷口功一氏

「もともとは、私が一人でコツコツとスナックについて調べていましたが、一人でやるのにも限界があるなと。そんな時、サントリー文化財団による研究助成制度の存在を思い出して応募したところ、めでたく採択。研究会の立ち上げが可能になったんです」

申請した正式な研究名は「日本の夜の公共圏――郊外化と人口縮減の中の社交のゆくえ」というもの。スナック研究というような活動内容にお金を出してくれるのは、この財団以外に無かったという。

「研究会のメンバーは全員もともと私の知り合いで、それぞれの分野で我が国の第一線を走る研究者たち。これまで部分的に交わることはありましたが、この際全員を集めてスナックについて掘り下げてみようというのが、研究会立ち上げの経緯です」

各研究内容をまとめた書籍が白水社から出版

第一期は2015年〜2016年。定期的にスナックに集まり、さまざまな切り口で各自の研究成果を報告した。そのラインナップがじつに面白い。

例えば、「『夜の公共圏』と本居宣長」(高山大毅・駒澤大学)、「夜遊びの適正化と平成26年風営法改正」(亀井源太郎・慶應義塾大学)、「『会』の時代――あるべき社交の形をもとめて」(河野有理・首都大学東京)、「日本の宴席と文化」(井田太郎・近畿大学)などなど。

研究会の様子。資料に目を通す姿も真剣そのもの

そもそも、江戸時代の国学者・本居宣長とスナックはどこでつながるんですか?

「国学者である宣長は一般的には気難しい道徳家というイメージですが、実は若い頃に遊び倒した人。遊郭での夜遊びや和歌を詠む会(今でいうカラオケ?)、そんな遊びを通じてこそ、人情に通じ(通人)、人格が練られると本人も言っているのです」

「『会』の時代」は、日本における「二次会」の歴史について論じたもの。スナック自体が二次会の定番だが、村井弦斎・柳田國男・神島二郎による二次会賛成派と反対派の議論を見ながら、日本における「社交」のありかたについて議論したという。

「ホントにアタマが良い人たちはすげえなあ、と思いました(笑)。最初に私からスナックについて簡単に説明しただけで、こちらが思いも寄らない切り口で調べて来てくれるんです」

こんな面白そうなことをクローズドで行うのはもったいないということで、研究会の成果をまとめた本が2017年5月頃に白水社から『日本の夜の公共圏――スナック研究序説』として出版されるそうだ。詳細は「スナ研」サイトでも改めて告知するとのこと。これは要チェックですぞ…。

さて、次回以降は「実践編」。第7回のテーマは気になる「料金システム」。いよいよ、「スナッカー」(http://snacker.jp)編集長の平本精龍氏が登場します!

取材・文/石原たきび

「スナッカー」(http://snacker.jp)のおすすめスナック Vol.5

シャンデリアがポイントのオシャレなお店!
「天羽(あもう)」

営:19:00~1:00
休:日曜、祝日
住:大阪府枚方市川原町9-18 シャトー枚方ビル2F
電:072-846-1641818

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