今では忘れがちだけど、スウェットとは読んで字のごとく、汗をかくアクティブなシーンで着るための服として誕生した。
起源は1920年代。それまでは吸放湿性のあるウールをジャージーに編んだものが着用されていたが、どうにも肌触りが良くない。そこで裏地をパイル状にすることで吸水性を高め、伸縮性も兼ね備えたコットンの裏毛が考案されたという。
その元祖と目されているのが、A.G.スポルティング&ブロス。’24年には同社のカタログにスウェットウェアが掲載されているのだ。
こちらの「サイドラインパーカ」は、’20年代のヴィンテージを入手した同社のスタッフが復刻させたもの。
サイドラインとはコートの外、すなわちベンチウォーマーとして着用されていた防寒着ということ。そのためポケットは左右が独立したハンドウォーマー形状で、裏毛スウェットを2枚使いしたダブルフェイスの作りで非常に保温性が高い。
その昔、アイビーリーガーがこのパーカを被って出番を待っていたかもと、思いを馳せるのもアリだ。
竹内一将(STUH)=写真 松平浩市、中北健太=スタイリング 安部 毅、礒村真介(100miler)=文