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2020.10.18

ファッション

ジョンスメのデニムはニューノーマルな時代が生んだ傑作かもしれない

デニムが最も身近な服のひとつであることに異論はないだろう。だからこそ、そこには人の暮らし方が反映されやすい。
ヒゲやアタリがもてはやされていたところに、色落ちせずにずっと品良くはけるものが現れ、抗菌効果や接触冷感などの機能性を備えたものも増えてきた。
今年はテレワークでの仕事も当たり前になって、平日デニムで働く大人像は確実に増えていると思う。そんな社会の“ニューノーマル”を踏まえると、新たな生活様式に寄り添うデニムが欲しくなる。
ジョン スメドレーのデニム
ゆとりのあるジャストレングスタイプ。少し厚手でタイトすぎない24ゲージのニットを合わせると、力が抜けていながらも上品さが漂うルックスに。週7日これで通せる。デニム3万6000円/ジョン スメドレー、ニット3万6000円/ジョン スメドレー(ともにリーミルズ エージェンシー 03-5784-1238)、腕時計36万3000円/チューダー(日本ロレックス / チューダー 03-3216-5671)、メガネ6万4000円/10 アイヴァン(アイヴァン 03-6450-5300)
奇しくもそんな世相と呼応するように生まれたのが、英国はジョン スメドレーの一本だ。上質ニットの代名詞的ブランドだけに驚かれるかもしれないが、まずはその現物を見てほしい。
深めの1タックを配したゆったり太めのテーパードシルエットに、ポケットはスラックスのようなスラントタイプ。そして黒に近い濃色インディゴのリジッド生地と、同社のニットのイメージをそのまま踏襲したかのようなクラシックで上品な仕上がりなのだ。
聞けば生産はロンドンの実力派デニムファクトリーブランド、ブラックホースレーンが請け負っていて、質の良さは折り紙つき。小ぎれいなニットとの相性も格別で、ビジネスシーンにもすんなり馴染んでるのだ。
時代に合わせて本当に必要なものを提案できるこんな審美眼こそが、名門たるゆえんなのだろう。
 
山本雄生=写真 荒木大輔=スタイリング 松本和也(W)=ヘアメイク 加瀬友重、今野 壘=文


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