ビジカジ新常識を徹底討論。センスのいい女性は働く男のここを見ている!
センスのいい女性3人が、働く男の服装をテーマに語る「ビジカジのニューノーマル」!
服選び、着こなし、持ち物。今は公私の境界線が曖昧だからこそ、バランスを見定めた選択が大切なのだ。
[左]メンズファッションライター 丸山尚弓さん
英会話講師より華麗なる転身を遂げ、多くのメディアから引っ張りだこ。また紹介した商品には問い合わせが殺到するなど影響力があり、ブランドの企画、海外シューメーカーのアンバサダーも務める。理想の上司は大失敗した時でも愛ある励ましをしてくれそうな高田純次さん。
[中]「Oggi」副編集長 安井亜由子さん
「CanCam」のファッションデスクや副編集長を歴任後、2019年より現職。「仕事もおしゃれも今日が一番楽しい!」を合言葉に、30代を中心とする働く女性に向けたファッション&ライフスタイルを提案する。理想の上司はドラマ「おっさんずラブ」で吉田鋼太郎さんが演じる黒澤武蔵。
[右]商社勤務 有木万美子さん
複数の業界を渡り歩き、現在は商社で商品企画やバイイングを担当するバリキャリ。一方、抜群のファッションセンスを活かして、雑誌「Oggi」の専属読者モデル「オッジェンヌ」としても活躍中。理想の上司はオーシャンズ看板モデルとしてもお馴染みの平山祐介さん。
ウェブ会議の服装も油断は禁物。小物も意外と見られている!
丸山 基本のキですが、ビジカジとはいえシワだらけのシャツはダラシないので、アイロンは掛けるべき。
有木 そうそう! タックイン用の着丈の長いシャツを、裾出しするのもダラシない。
安井 シャツでいえば、まだまだ残暑厳しいので半袖を着る方も多いと思います。ただ、あえて長袖を選んで腕捲りするほうが断然こなれて見えますし、男の色気を感じますね。
有木 私は九分丈パンツも好き。チラ見えする足首がセクシー♡ そこにソックスを合わせる男性も多いですが、個人的には正直イマイチ(笑)。
編集部 男性はOKだと思いがちだけど、実は女性的にNGなアイテムや着こなしも多そうですね。
丸山 夏の話になりますが、さすがに短パンやサンダルはNG!
有木 トレンドのビッグトップスもビジネスシーンでは避けてもらいたいかな。特に、上からジャケットやカーディガンを羽織ったときに、内側でダブついて野暮ったいですから。
安井 かといってピタピタのタイトフィットも今っぽくないですし、付かず離れず(=ほどほどの意)のシルエットを心がけるといいですね。
有木 ビジカジの王道として挙げたポロシャツも、胸のアイコン刺繍がビッグだったり、デコラティブなデザインのものも同僚などが着ていたら、ちょっと嫌かな。

安井 ゴルフウェア然とした服装も、職場ではスポーティすぎるかも。
丸山 ポロシャツだとボタン全開の男性もいますが、上まで留める、または1つ開け程度にしてほしい。
安井 そうそう、色気の押し売りはいりません(笑)!って、私たち放言がすぎますかね……(汗)。
編集部 いえいえ、職場では面と向かって指摘してもらえないので、本音を知れたほうが参考になります!
有木 では、お言葉に甘えて(笑)。靴が汚れていると、どんなに素敵な装いでも台なし。特に黒ずんだ白スニーカーは不潔な印象を与えるので絶対にありえない。
丸山 ドレスシューズ同様、スニーカーも日頃からキレイにケアするのは、オン・オフ問わず常識ですね。
有木 ウェブ会議で実際にあった話ですが、くたびれたTシャツ姿の方もいました。いかにも部屋着感のあるものは当然ナシです。
安井 オフィスではもちろん、在宅でも完全にダメですよね。

有木 あと、モニターに映る上半身はキッチリと装っているのに、ふと立ち上がった瞬間、スウェットパンツをはいている方もいました(笑)。よもやのことに備え、下半身も油断のしすぎは禁物ですね。
丸山 私は、名刺入れや筆記具などの小物にも目が行きますね。万年筆までいかなくても、少しいいペンを使っていると素敵だなって思います。
安井 たとえ使い捨ての100円ボールペンであっても、革のペンケースに入れていたりすると、こだわりを感じられますよね。モノを大切にする方なんだと感心してしまいます。
有木 小物でいうと、スマホケースも油断しがち。ボロボロなのは論外ですし、お子さんに合わせて買ったのか、可愛いキャラモノなどは生活感が透けて見えて……。
安井 やたらとステッカーを貼っているノートパソコンも嫌ですね。

清潔感を出し、生活感は出さず。そして休日スタイルとは一線を
編集部 好感という点で、そのほかポイントなどはありますか?
有木 レディスの洋服も手掛けているブランドのアイテムは、女性からも好感度が高いと思います。会話のキッカケにもなりますし。

丸山 ジョン スメドレーのニットやポロシャツは間違いないでしょうね。
安井 そうそう。エイトンのスウェットパーカやTシャツもイメージがいい。ユニクロ ユーも男女を問わず、お洒落上手な方が着ている印象です。
有木 オーラリーもいいですね。さらっとニットなどを取り入れていると、かなりセンスがいいと思います。
安井 総じて言えるのは、清潔感を出して、生活感を出さないこと!

丸山 ちなみに、TPPOに応じたスタイルが上手だと思うのはテスラのイーロン・マスクかな。ビジカジは休日スタイルとは違います。
テレワークによって、あらゆる面で公私の境界線が曖昧になっているからこそ、洋服だけでなく持ち物についても、バランスを見定てほしい。節度をわきまえた選択が大切になりますよね。
恩田拓治=写真 いくら直幸=文 佐藤薫=イラスト