Tシャツの季節。「曲げる」を意味するbendをその名に冠した気鋭がリリースしたのは、アートTだ。
1990年代後半から2000年代初頭に青春時代を過ごしたクルーが表現したのは、20世紀にその名を刻んだ文化人たち。どれも曲者でありつつも多くに愛され、おおよそアイコニックな存在だけに、ひと目で誰かはわかるだろう。
どこか愛嬌のあるポップな雰囲気のそれは、すべてiPhoneのメモ機能で描かれたものだそう。今、徐々にプロも使い始めているデジタルネイティブな手法でもある。
絵を描く道具も変わり始めた21世紀に、懐古的な20世紀のモチーフを描く、それも写実的ではなく随分とデフォルメして。
こんな「曲げに曲げて」世界を覗き見るコンセプトに共感したなら、コイツとともにTシャツ姿にちょいと“ヒネリ”を加えてみてはどうだろう。
鈴木泰之=写真 柴山陽平=スタイリング 髙村将司=文