2019.04.28
FASHION

平山祐介扮するユースケ部長は着物に興味津々。向かった先の「順理庵」とは?

「部長びんびん“着回し”裏話」●俳優の平山祐介さんが商社勤務の“ユースケ部長”に扮し、ドラマチックなファッションストーリーを展開する「部長びんびん“着回し”物語」。ここでは、本誌では描かれなかった3つの裏話をお届け。1つ目は、彼がDay2で向かった“あの店”について。

深遠なる茶道の道へ足を踏み入れることを決意したユースケは銀座にある「順理庵」を訪れた。ユナイテッドアローズ創業者の重松理氏がプロデュースしたこのショップは、日本の美の基準を次世代に残すことを理念に掲げ、和装や着物の生地を使った洋服を展開している。

順理庵は無垢の木と土壁で作られた日本伝統の数寄屋建築。店内に漂う清冽な銘木の香りにユースケの心は引き締まった。

物腰の柔らかいスタッフは、ユースケに着物の基本をわかりやすく教えてくれた。反物を広げて、色合いと手触りと確かめる。なかでもユースケの気に入ったのが、結城紬と呼ばれる生地。

これは2000年の歴史を持つ絹織物で、その原型は常陸絁(ひたちあしぎぬ)という名で朝廷への献上品として正倉院にも収蔵され ているという。

「絹」の原料の「繭」を綿状に加工し糸に紡ぐため、 肌触りはふわふわとしていてしなやか。これまでヨーロッパブランドの高級オーダースーツを幾度となく仕立ててきた経験を持つユースケだが、この肌触りは味わったことのない心地良さ。ユースケは奮発して、結城紬で着物を仕立てることにした。

「紬はジャケットにしても映えるんですよ」。スタッフが結城紬を使ったピークドラペルのジャケットを見せてくれた。使用されているのは、茨城県南部を中心に織られるいしげ結城紬。タテ・ ヨコ糸ともに真綿糸を使用することでその風合いを活かした、 結城紬の最高峰に君臨する紬である。

山の稜線を思わせる、ゆるやかなジグザグ線を描く柄も存在感たっぷり。袖を通した瞬間、ユースケは衝撃を受けた。

「ううむ、なんて軽くて気持ちイイんだ! それにこのモダンな柄。そこいらのメゾンのジャケットよりも断然インパクトがある。外国人の多いパーティなんかに着て行けばウケること間違いなしだな」。

ユースケが着物に興味津々な理由は茶道だけではない。今、プロモーションを手掛けているイタリアブランドのトップが日本の伝統文化に深い関心を抱いているというのも大きな理由のひとつだ。和の文化に精通すれば、チャンスは広がる。そう考えるユースケの目が、ある小物の姿を捉えた。順理庵扇子である。

3万7800円/順理庵 03-5537-7021

手掛けたのは文政6年(1823年)に創業した京都宮脇賣扇庵。昭和34年、当時の皇太子様ご成婚の際に献上された扇子の老舗である。扇骨には漆や煤竹、焼竹が使われ、紋は京都薪絵職人の手書き。

「扇子は『末広がり』に通じるから、贈り物にいいと聞いたことがある。ただ、海外のエグゼクティブのなかには日本文化にやけに詳しい人がいるから、ヘタなものは贈れない。その点、これなら絶対に一目置かれるはず。よし、これをギフトにしよう」。

扇子をさっと開いてパタパタ仰いでみる。手馴染みがよく、心なしか頬を撫でる風もまた上品。「うん、オレ用も買おっと。お茶会やイタリア出張でオレのセンスを見せつけたるぜ~」。スタッフの苦笑をよそに、ニヤリと成功イメージを膨らませるユースケだった。


[店舗詳細]
「順理庵 銀座本店」
住所:東京都中央区銀座6-5-15 銀座能楽堂ビル1F
電話:03-5537-7021
営業:12:00〜19:00(土・日曜、祝日定休)
www.junrian.com

武内雅英=スタイリング MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク  押条良太(押条事務所)=文

# ユースケ部長# 着物# 順理庵
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