2019.04.26
FASHION

意外と知らないルイ・ヴィトン「モノグラム」の正しい歴史。最新作はどうなってる?

ラグジュアリーブランドのアイコンは特別だ。長い歴史に裏打ちされた誇りや矜持が覗き、普遍的な愉悦をもたらす唯一無二の存在。そこに隠されたストーリーを紐解く。

「モノグラム」に込められた親子の絆

“モノグラム”という単語を辞書で調べると「氏名の頭文字など2つ以上の文字を組み合わせて図案化したもの」とある。商標、マーク、作品の署名などに用いられ、絵画の隅に書かれた組み文字もまたモノグラムである。

120年の時を超え、進化を続けるルイ・ヴィトンのモノグラム

つまり、この条件さえ満たしていれば、モノグラムという単語はあらゆるものに当てはまる。しかし、この単語を耳にすれば誰もが“あのデザイン”を思い浮かべるはずだ。

そう、ルイ・ヴィトンの「モノグラム」である。

「モノグラム・エクリプス」を思わせるグレーとブラックの陰影が象徴的なブラックに加え、とびきり鮮やかなカラーバリエーションが目をひく。/ルイ・ヴィトン
ブランドのシグネチャーレザーのひとつで、耐久性に優れるタイガ・レザーとモノグラム・キャンバスを掛け合わせた新ライン「タイガラマ」。シックなブラックと鮮やかなターコイズが目を引く。H40×W37×D20cm 各23万8000円/ルイ・ヴィトン 0120-00-1854

誕生したのは1896年。創業者ルイ・ヴィトンの息子、ジョルジュ・ヴィトンの発案である。自分たちのブランドがひと目で分かる“象徴”を作ろうと試行錯誤を続けていた彼が、何枚ものスケッチを描き、辿り着いたのが「モノグラム」だったのである。

花をモチーフにした複数の紋様に父のイニシャルである「LV」を溶け込ませてデザインした幾何学パターンは、ジョルジュの想い通り、ブランドのアイコンとして成長していく。

みんな大好き「モノグラム」、その証拠

ベージュと淡いマロンカラーで表現された「モノグラム」は、「スティーマー・バッグ」や「キーポル」をはじめ、あらゆるアイテムに採用されていく。


そして「モノグラム」は、ブランドの成長とともに多くの人々に愛されていくように。それを象徴する出来事が「モノグラム」誕生100周年の1996年に起きる。

当時、ファッションの最先端を走っていた複数のファッションデザイナーと記念プロダクトを作ったのだ。

ヴィヴィアン・ウエストウッドの遊び心溢れるバムバッグやヘルムート・ラングのDJケース、マノロ・ブラニックのシューズトランクなど、どれもまったく古びて見えないのは、アイテムのデザインもさることながら、モノグラムのデザイン自体が普遍的だからといえるだろう。

そして、今のように“コラボ全盛”ではない時代に、これほどの大物デザイナーたちが協力したという事実もまた、「モノグラム」が愛されていることの証拠なのだ。


今、いちばん話題な「モノグラム」は?

ファスナー付きポケットのほか、3つのカードスリーブも備えたフレキシブルカードホルダー。/ルイ・ヴィトン
ジップ付きポケットのほか、3つのカードスリーブを備えたカードホルダー。キャッシュレス時代の財布に最適。H14.5×W8×D1cm 各3万4000円/すべてルイ・ヴィトン 0120-00-1854

そして今。ブランドのメンズラインを率いるのは、アーティスティック・ディレクターのヴァージル・アブローである。彼の手によって「モノグラム」はさらに表情豊かに進化している。冒頭のターコイズブルーのバッグやイエローなど、伝統と革新が共存するプロダクトは相変わらず魅力的で、きっとこの先も古びることはない。

「モノグラム」の威光は陰ることなく、いつまでもまばゆい光を放っているのだ。


高橋絵里奈=写真 松平浩市=スタイリング 菊地 亮=文

# ルイ・ヴィトン# モノグラム
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