OCEANS

SHARE

2019.04.10

ファッション

「派手」と「ミーハー」は嫌。でも……というならメゾン マルジェラはどうか

ベーシックウェアには、とかく「無難」のイメージがつきまとう。だからといって、決して「派手」に見せたいわけでも、流行にホイホイ手を染める「ミーハー」になりたいわけでもない。
ベーシックでありながら、少しだけ「違い」のあるものを着ていたいのだ。
このアンビバレンシー、本稿が気になった諸兄なら、わかってもらえるはずだ。実際、きれいめ志向は、必ずしも没個性を意味しない。
それは、男に必要なワードローブにしてさりげなくも主張がある服——メゾン マルジェラを見ても明らかだろう。

MAISON MARGIELA メゾン マルジェラ

カシミヤニット&デニムのコーディネイト/メゾン マルジェラ
ニット10万5000円、デニム7万8000円/ともにメゾン マルジェラ トウキョウ 03-5725-2414
写真は、カシミヤをメインに使用したネイビー無地のニットだが、ターンナップされたクルーネックや、袖リブに配された赤いライン、短丈ボディの裾リブなど、定番服とは一線を画す一流のひねりが利いている。言い換えれば、匿名的であるのに主張がある服なのだ。
クリエイティブ・ディレクター、ジョン・ガリアーノによる最新コレクションでは「ジェンダー・フリュイド」と銘打った、いよいよ性差のない新たな社会へのメッセージを発信。そういう先鋭的アティテュードが一つひとつの服にも表れているのだ。
普通と少し違う「きれいめ」の世界を見たいと願っている大人の男は多い。メゾン マルジェラをひとつの好例としたが、ここで書かせていただいたことを頭の片隅に置いていただければ、「派手」や「ミーハー」という落とし穴に陥ることは、なくなるはずだ。

『大人服の基本』という本があれば、巻頭で紹介されるだろうカシミヤ&デニムのコーディネイト。ヒネリが効いたデザインのカシミヤウールニットが、装いにモードな表情を加えてくれる。
 
清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング 松本和也(W)=ヘアメイク 髙村将司=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。