シワや折り目、色落ちなど、使い込んだ時間とともに表情を変えるレザー。その魅力に取り憑かれた男、安藤哲也氏が率いるT.A.Sの小物が面白い。
扇面にレザーをあしらった扇子や、機能は度外視して鍵を内側に閉じ込めた金属トレー、そして独自の加工によりコーデュロイのようなプリーツをあしらったスエードの巾着袋。
固定観念を覆すようなレザー使いと、愛してやまない日本の伝統技術を融合させた自在なクリエイションは、まるでアート。
それゆえかパリのセレクトショップ、スプリングシゥほか、アメリカのH・ロレンゾなど、諸外国の取り扱いの多さにも目を見張るものがある。レザーとの新たな邂逅を求めるなら、チェックしてほしいブランドだ。
鈴木泰之=写真 柴山陽平=スタイリング 加瀬友重、髙村将司、実川 実=文