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2018.04.03

ファッション

今注目の「和」な服。コスプレにならないキーは“和ヨー折衷”!?


ジャパンメイドが世界的にも評価され、褞袍(どてら)、半纏(はんてん)、浴衣に法被(はっぴ)と、ここ最近、日本の伝統着に端を発したアイテムもよく目にするようになってきた。そう、今まさに和ブーム。とはいえ、昔ながらのアイテムが今の着こなしにマッチするのか大いに不安。そのヤキモキを解消するのが今回のタネあかし。
「種カジのタネあかし」を最初から読む
ジャケット/アトリエリザーブ、Tシャツ/アクネ ストゥディオズ、デニム/アクネ ストゥディオズ、ブーツ/グイディ ※すべて私物
和なエッセンスの服は今見ると新鮮だしブームってのも承知している。わかっちゃいるけど、オッサンが着るとガチになるかコスプレになるかが関の山。そこで種さん、“和ヨー折衷”なる妙案を提案してくれた。
つまりはリミックスということ。で、大切になるのが選びの目線である。手に取ったアウターは、古着リメイクを得意とするオランダのアトリエリザーブというブランドのもの。ヴィンテージのミリタリーコートの襟とフードを、和の掛襟に替えている。
さらに、合わせるブランドでもリミックス感を出しているのがキモ。「ヨーロッパブランドはデニムやTシャツにも素材感や些細なシルエットに品があって、和物が持つクセを口当たり良くまろやかにしてくれます」とスウェーデン発のアクネ ストゥディオズのボトムをチョイスした。
「出汁を使ったフレンチみたいなイメージ」と種さん。なるほど、それを聞いて妙に納得。だから“和ヨー折衷”。気づけば全身がヨーロッパである。これなら「和」のアイテムもうまく取り入れられそうだ。

アトリエリザーブは、写真家とイラストレーターのコンビが手掛けるオランダのリメイクブランド。残念なことにまだ日本未上陸だ。「なので、僕は本国に直接オーダーしました。実は、デニムブランドのデンハムとコラボしたアイテムが日本では入手可能です」。

背後に目を移せば、ゴッホの自画像にフードとキャップを被らせたようなグラフィックが。和っぽい版画風で、黒の単色刷りってところもまたシブい。「自分たちの故郷・オランダの誉れをパロディにしちゃうセンスもたまらないですよね」。

「ヨーロッパブランドらしい流麗な木型や程良いヴィンテージ感。このバランスがさすが」と語る、イタリア発のグイディ。ここにハードなワークブーツはワイルドすぎてトゥーマッチなので、注意したい。
 
「ハイファッションでもじわりと注目度が高まっているんで取り入れてみたんです」と、今回は珍しく和テイストのコーディネイトで登場した種さん。選んだアイテムも、いかにもな法被や野良着よりも着やすそうだ。オリーブグリーンに黒という配色もいい。「リミックスって本来、日本人がいちばんウマいはず。その得意技を使えば、和の習得も意外と簡単にできるんです」。
先人が作った和洋折衷の感覚は今でも使えるってこと。食わず嫌いな大人にこそ、ぜひ!
 
PROFILE
たねいちあきら●1972年生まれの45歳、東京下町出身。サーフィンを愛する海男。長年勤めたビームスを退社し、現在はフリーランスとしてブランドのコンサルティングやプロダクトのディレクションなどを手掛ける。種カジのこぼれネタがポストされるインスタグラム(@taneichiakira)もチェックして!
 
山本 大=写真


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